記事によると[森永乳業(2264)]は5月22日に玄米黒酢を用いた「黒酢ソルベ」を発売する(【黒酢ソルベのプレスリリース】)。これは健康面で注目されている黒酢に着目し、デザートで美味しく手軽に摂取してもらおうというコンセプトのもとに開発されたもの。酸味が強い黒酢に果汁を足して食べやすくしたシャーベットは、ブドウ・ブルーベリーとりんごの2種類の味で提供。残念ながら首都圏限定の発売。

黒酢ソルベ

また、【明治乳業(2261)】が昨年9月に発売したコラーゲン配合の「美チャージ」やロッテスノーが11月に発売したコエンザイムQ10配合の「H&B」シリーズなど、美容成分に配慮したアイスクリームも見受けられる。

健康系重視のアイスクリームでは、2004年11月にカネボウフーズが発売した豆乳ベースの「アイベジティ」が特に濃厚感を味わえるのに低カロリーであることと、動物性原料を使っていないためアレルギー体質の人もアイスクリームを食せるということから人気を博し、販売地域・発売種類を共に拡大しているという。

アイスそのものの市場は減少傾向(2005年は約3478億円)にあるが、健康系アイスクリームに限定すると前年度比で約3倍(約13億円)になる見通しだという。まだまだ未開拓の市場ということもあり、今後ますます新しい健康志向のアイスクリームが登場することだろう。

チョコレートについては先に【バレンタインデーだけをチョコのセールス期間にしないために……オトナのチョコ市場開拓事情】の記事でも言及したが、アイスクリームの分野でも在庫増加傾向が100円ショップや通常店舗の安売り頻度などから見受けられる。健康志向という新しいセールスポイントを得て、アイスクリーム業界が巻き返しをはかることができるのか、今後の展開に注目したいところだ。