株系漫画「株主爽快」連載スタート、第一回目を早速チェック
2006年05月01日 20:15
先に【「ビジネスジャンプ」で株系漫画「株主爽快」が5月1日から連載スタート】でもお伝えした通り、集英社の隔週漫画誌「ビジネスジャンプ」で、5月1日発売号から橘かおる先生による『株主爽快』なる連載がスタートした。アドバイザーに付く、公認会計士で『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』などの著書で名を知られる山田真哉氏がどのようなガイダンスをするのか興味深いところもあり、早速発売日の本日同誌を購入して中身をチェックしてみた。
スポンサードリンク
「株主爽快」の絵と実際の運用を担当する橘氏は自己紹介で曰く「パチスロとビールがこよなく好きな漫画家さん。株式投資は初心者」とあり、どこにでもありがちなごく普通の「投資初心者」。記事の概要としては橘氏が山田氏のアドバイスを受けながら実際に株式投資を行い、そのやり取りについてあれこれと解説を加えたりツッコミを入れたり入れられたりという、体験レポート形式の漫画。また漫画の巻末には山田氏による1ページのコラムが掲載されるという、よくあるパターンの体裁をなしている。
なお初期設定として【イートレード証券(8701)】に20万円の口座を開設したところから話はスタート。橘氏の自腹か、それとも編集部が経費として用意したのは不明。あるいは原稿料先払いの形なのかもしれない。
今回は「株主爽快」第一回目ということもあり、タイトルの「勝利の3原則」にもあるように、山田氏が自分のポリシーである株式投資・運用方法について「山田式」と命名し説明している。「とにかく株は儲けるためじゃなくお金を減らさないためにやるものなんだ」という科白は身につまされる人も多いのではないのだろうか。
チャート分析や5要素から見た会社の解析、キャッシュフローへの注力など、役立つ話が展開される一方、橘氏が初心者なりの考察に基づいた銘柄選びをしている(曰く「直感運用」)あたりが面白い。例えばゴールデンウィークのデート需要を予想して、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な連想をし、【ユークス(4334)】【オカモト(5122)】【大庄(9979)】【アサヒビール(2502)】を選んでいる(選択理由は実際に本誌を読んで確かめて欲しい)。
特に、初心者には難しいとされる「損切り」を最初からさせているあたりは感心させられた。なお次回以降どうなるかは分からないが、少なくとも今回は売買記録が銘柄・購入株式数・購入時の価格などきちんとすべて掲載されている。
ごく一般の人がどのように投資を考え、銘柄を選択していくのか、そしてそれに対して山田氏がどのようにツッコミ、もとい考察を加えて「読ませる展開」になっていくのか。「株主爽快」は今後が楽しみな作品といえよう。
ちなみに今回は、勧めるべき投資スタンスについてははっきりと言及はされていなかった。デイトレードということはないが、スイングなのか中長期なのか、また配当や優待を考えるのか、それともあくまでもキャピタルゲインを狙うのかについては次回以降に方針として語られることだろう。橘氏の性格からすると、優待銘柄に食いつきそうな気もするが、投資額を考えるとなかなかそれも難しいかもしれない。
最後に。絵柄云々は人の好みもあるし、そもそも実践レポートの類だから二の次三の次だから言及はしないとして。一つだけ注文を加えるとすれば、山田先生の服装がコマ単位でコロコロ入れ替わるのはどうにかしてほしかった。恐らく制作の過程での設定ミスだと思われるが、ここまで統一感がないのは見ていて非常に気になってしまう。「株主爽快」の次回以降に期待したい。
(最終更新:2013/09/18)
スポンサードリンク
ツイート