日本版「国家安全保障会議(NSC)」設立などの緊急事態法提出先送りへ

2006年05月10日 12:30

【asahi.com】によると政府が大規模テロや大災害への初期対応を敏速強化するため、日本版の「国家安全保障会議」(NSC:National Security Council)の新設などを含めた「緊急事態基本法」の先取りを検討する研究会を設けていたことが明らかになった。「国家安全保障会議」の新設は自民・民主・公明3党が2004年から政府に制定を求めている「緊急事態基本法」への足がけともなるものだが、政府内には同法の必要性を疑問視する声もあり、法案は今国会には提出されない見通し。

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研究会そのものは記事によれば、昨年10月に発足、外務、防衛、警察、国土交通などの各省庁の審議官クラスのほか、医師や防衛問題の専門家、学者ら計20人程度が参加しているという。

具体的には

・内閣官房が独自に安全保障の専門スタッフを採用する
・米国の【NSC】のような組織を新たに設けるか、外相や防衛庁長官らが参加している既存の「安全保障会議」を強化する
・内閣官房を中心に、政府機関や病院、研究機関などで危機管理の情報を交換するメールシステムを構築する


などの検討が行われているという。似たような組織は1998年にすでに内閣危機管理監が新設されているが、平時から中央省庁・地方自治体と協力して危機にそなえる専門家集団が必要と判断した。

「国家安全保障会議」の新設とそのための研究会は、「緊急事態基本法」の法案成立へのプロセスが(郵政民営化関連で政局がごたごたして)なかなか進まない中、法律の成立前に体制整備を整える狙いがあるという。ただ政府内には「すでにある災害対策基本法や国民保護法の整合性はとれており、あえて緊急事態基本法を制定する意味があるのか」と反対する意見もあるとのこと。

アメリカのNSCの仕組みが120%完全に有効な手立てとして作用しているとは断言できないが、それでも現状の日本の体制と比べればはるかに効果的とする意見は多い。政府内の「今のままで十分じゃん」という見解はあくまでも「これまでは」に過ぎず、今後不測の事態が起きたときに対応できるかどうかは疑わしいところ(それにこれまでにおいても「整合性が取れた」と誇らしげに語れる内容だったかどうかという問題もある)。第一、テロや災害には備えるだけ備えるにこしたことは無い。

無意味なところにまわす予算を、こういう方面に展開するだけでも、日本はもっと安心して暮らせる国になると思うのだが。

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