JT、たばこ大幅値上げを申請。マイルドセブンが300円に
2006年05月13日 07:00
【日本たばこ産業(JT)(2914)】は5月11日、7月1日からのたばこ増税(1本1円)に伴い計116銘柄について1箱あたり10円から30円値上げする価格改定を【財務相】に申請した(【発表リリース】、【たばこ小売価格新旧一覧表】)。増税幅は基本的に20本入りの普通サイズの箱1箱で20円だが、主力のマイルドセブンシリーズ11銘柄など計13銘柄は増税分を上回る30円の値上げとなる。
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たばこの値上げは前回の増税時の2003年7月以来で3年ぶり。増税分を超えた値上げについては、
成年人口減少・高齢化の影響に加え、度重なる増税により販売数量が減少する中、今後とも、愛煙家の皆様に満足いただける品質の維持向上と喫煙場所の確保等に向けた各種施策を一層進めることとしております。
また、たばこ業界では、未成年者喫煙防止を目的とした成人識別自動販売機の全国導入を2008年に予定しておりますが、これは、自動販売機の存続により、愛煙家の皆様にとっても購買利便の確保に繋がるものと確信しております。
と説明した上で、「こうした取組みの推進には相当のコスト上昇が見込まれ」ることから主要製品についての増税分以上の値上げをすると説明している。
しかし今回の値上げで1箱300円以上の値がつく商品が全体の3/4以上となり、ますます愛煙家そのものや愛煙家の喫煙本数の減少に拍車がかかるかもしれないとの指摘がある。また、値上げの結果、「負担増」「利用者減」「さらなる負担増」というような、デフレスパイラルになる可能性も。
なにより、企業にとって必要不可欠な「企業努力」(営業努力、コストダウン努力)の言葉が少しも見られず、「費用がかかりそうだから値上げするね」的な短絡思考は、専売公社時代のお役所仕事と何ら変わりがないような気がする。
もっともこの値上げでたばこの害が減るのなら、それはそれで怪我の功名といえる。先の記事にも例に挙げたが、いっそのこと1000円/箱くらいまで値上げしてみるのも一案かもしれない。
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