退役したF1支援戦闘機のうち3機、引退後の進路決まらず。このままではスクラップに
2006年05月15日 06:30
[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]が報じたところによると、今年3月9日に最後の飛行を終えて現役を引退した日本初の国産超音速ジェット戦闘機ことF1支援戦闘機7機のうち、3機の機体について行き先が決まっていないという。このままでは解体・スクラップとなり、鉄くずとして売却されるかもしれないという。
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【国産初・30年任務の超音速支援戦闘機F1、3月9日で退任】でも報じたがF1支援戦闘機は築城基地の7機が【航空自衛隊】における最後の飛行を終えた後、完全に引退することとなった。現在その7機は同基地の格納庫において、航空自衛隊が国有財産から登録抹消する「用途廃止」の手続きを待っており、5月中にも手続きは終了する見込み。戦闘機も国の所有財産なのだから、登録抹消の手続が必要になる。車と同じわけだ。なお「用途廃止」の手続きが終わると武器類やエンジンは外されるが、迷彩塗装や翼の日の丸、機番、所属部隊マークなどは現役時代のまま、次の指示を待つことになる。
引退して国有財産としての任を解かれた後の身の振り方にはいくつかあるが、航空自衛隊の施設などで展示品として「広報展示機」に姿を変える、地方自治体や教育機関、関連企業で展示品として「無償貸付」の対象になる、いずれもかなわない場合には「解体後売却」の運命をたどる。なお先日ソ連製ミグ21をオークション経由で1個人が買う・買わないの騒ぎが国際ニュースで報じられたが、日本の場合は売却先は特定業者であり、たとえスクラップ化されるとしても個人には売却されない。
F1支援戦闘機はこれまでスクラップ化される以外に、北海道えりも町の襟裳分屯基地や長崎県五島市の福江島分屯基地などで「広報展示機」として、あるいは【青森県三沢市のおおぞら広場】や防衛関連企業への「無償貸付」機として第二の人生を過ごしている機も多い。
「最後の7機」についても、築城基地、茨城県・百里基地、東京都・府中基地での展示が決まっているものの、残り三機の引き受け先が未決定であるという。
引き取るにはそれなりの場所が必要であり、さらに引き取ったからといって雨ざらしにして放置するわけにもいかず、それなりのメンテナンスも必要になるため一定の費用もかかれば手間もかかる。それなりの裏づけがないと、容易に引き取るわけにもいかないだろう。また、自動車やバス、電車と違い、海外に輸出するわけにも行かない。とはいえ、最後まで日本の空を守った彼らの行く末が、解体されて鉄くずとして扱われるのは多少なりとも寂しい気もする。
どこか彼らの安寧の地を提供してくれるようなところはないだろうか。
(最終更新:2013/09/04)
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