与謝野金融相、消費者金融のテレビCM「さらなる自粛を」

2006年05月22日 06:30

株式イメージ【asahi.com】によると5月21日良さの金融相はテレビ番組内において、消費者金融会社のテレビCM規制について、「(テレビ局に)自主的にやっていただいた方がいい」と述べ、テレビ業界にCM放送時間のさらなる自主的削減を求めた。これは[アイフル(8515)]の違法取立て問題などで、タレントや動物など「親しみやすい」ように見えるCMへの批判が強まっていることが背景にあるものと思われる。

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番組内で与謝野金融相は「(テレビCMの影響で)若い人が自分の口座から金を出し入れしている感覚になっている」と指摘。さらに「場合によっては29%近い金利が普通というのは、社会として正しくない。テレビ会社は良識で考えた方がいい」と主張した。

すでに【消費者金融大手5社がテレビCMの自粛時間を延長】でも報じているように、消費者金融のテレビCMについては、多重債務問題の原因の一つであるとして今年3月にも、消費者金融大手5社([武富士(8564)][アイフル(8515)][プロミス(8574)][アコム(8572)]【三洋信販(8573)】)などあわせて10社が、午後5時から10時までの間などの放送自粛を決めている。

だが規制範囲外の深夜帯は若年層の視聴率が高く、消費者金融への規制強化を検討する【金融庁】の懇談会でも、さらなるCM放送時間の削減を求める声が出ている。

【テレビCMの影響力が再認識、多重債務者の4割「きっかけはテレビCM」】にもあるように、実際に「多重債務者の多くはテレビCMを見たのがきっかけ」という調査結果が出ている以上、与謝野金融相の発言には正当性があるように思われる。もちろんこれは「これまでのテレビCM展開がきわめて効果的だった」という裏づけをしていることにも他ならない。本来なら喜ぶべき結果に苦虫をかみつぶしたような反応をしなければならないとは、何たる皮肉なことなのだろうか。

今回の発言はあくまでも「意向」であり法的拘束力はない。だが同時に「行政側の強い意志の現れ」でもある。消費者金融業界側はさらなる「自己規制」に迫られると共に、新たな広報展開の場を求められる必要に追われることだろう。


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(最終更新:2013/08/28)

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