テレビCMの影響力が再認識、多重債務者の4割「きっかけはテレビCM」

2006年05月05日 07:30

株式イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、複数の消費者金融(サラ金)などから借金をしている、いわゆる「多重債務者」の約40パーセントが、テレビのコマーシャルがきっかけで借金をしていたことが、【国民生活センター】の調査で明らかになった。

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記事によると今回の発表内容は多重債務を抱えている全国の男女585名を対象に昨年末に行われた調査結果によるもので、金を借りたきっかけについて「テレビコマーシャルを見たこと」が39.8%ともっとも多く、次いで「新聞の広告・折り込み広告」が36.2%、街中の看板が24.6%という数字が出ている。特に20代で65.9%、30代で53.4%と若年層の過半数が「テレビコマーシャルがきっかけ」とし、これらの年齢層にテレビコマーシャルが大きな影響を与えていることが明らかになった。

すでに【消費者金融大手5社がテレビCMの自粛時間を延長】でも報じたように、[武富士(8564)][アイフル(8515)][プロミス(8574)][アコム(8572)]【三洋信販(8573)】など大手7社は「グレーゾーン金利」などの批判の高まりから、朝の7時から9時までと、夕方の5時から夜10時までの放送放送を自粛している。【全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会】では、「消費者金融のコマーシャルは、いったん借りると次々と借金がふくらんでいく高い金利の危険性を知らせず、見た人はよい会社だと思って気楽に借りてしまう。元々青少年に悪影響を与えるべきだと言っているのだから、これを機会にすべての会社がコマーシャルをやめるべきではないか」と提言している。

注意しなければ、あるいは注目すべき点は、調査結果そのものをどうとらえるべきかにある。これだけ問題視され、多くの人が「きっかけになった」「影響を与えている」と回答しているということは、「それだけ現在のテレビCMが効果を発揮している」ということを実証しているの他ならない。優良顧客である消費者金融のテレビCMの自粛拡大の傾向は「お得意様」の売上が減ることにつながるので広告代理店や配信媒体は頭を抱えているだろう。

だがその一方で、「上手にテレビCMを作って大量に流せば、これだけ効果が出るのですよ」という実証データを提示できることになる。DVDレコーダーの普及などでテレビCMの有効性が疑われている昨今、広告関連の人たちは密かに喜んでいるのかもしれない。


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(最終更新:2013/08/28)

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