【更新】アメリカ産牛肉、7月にも輸入再開へ
2006年05月20日 08:30
[YOMIURI ONLINE]などが報じたところによると、日本・アメリカ両政府は5月19日午前、BSE(牛海綿状脳症)の特定危険部位である背骨の混入でアメリカ産牛肉の輸入を再停止した問題に関する専門家会合を開催し、輸入再開の方針で大筋合意した。プロセスが順調に進めば今年7月にも輸入が再開されるという。
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記事によれば日本政府側では消費者に対する説明会を開催。6月中旬にも再開の決定を行う。前後してアメリカの施設での体制整備や事前調査なども行われ、それらが滞りなく進めば、1月20日の再停止から約半年経過した7月に輸入は再開される。
19日の専門家会合終了後、日本政府は「今回の意見交換を踏まえて日本側の考えを整理し、米側と輸入手続き再開のための措置の調整を行う」とし、再開方針で大筋合意したことを発表している。
この合意に基づき、まず日本政府側では10か所程度で消費者向け説明会を行い、各種条件についてアメリカ政府側とツメの協議を行う。その後、アメリカ側の35施設すべての事前調査を行って輸入を再開する方針。
日本側が求めていた検査体制の強化などについては「日本の検査官による施設の輸入再開前の査察を認める」「輸入再開後にも米側が施設の抜き打ち検査を行い、この検査に日本の検査官の同行を認める」「空港などでのチェック体制の強化」など、アメリカも柔軟な姿勢を見せている。
今回の動きについて当然ながら関連業界は「アメリカ産牛肉の輸入停止の影響で、焼き肉や牛タンの専門店では廃業したり転業したりする店が相次いでおり、一刻も早く再開してほしいという気持が強かったので、輸入再開への道筋が見えてきたことは一歩前進だ」などとし、歓迎の意向を示している([NHK参照])。もちろん【吉野家D&C(9861)】など関連銘柄もこの報を受け、値を上げている。
だが[NHK]などでも報じられている通り、消費者などからは検査体制の強化を求めたり慎重論を唱える声も少なくない。先に輸入再開・危険部位間もなく発見・再停止となった際も似たような流れを組んでいただけに、同じ過ちが繰り返されることのないよう、関係各位は十分以上に注意して欲しいものだ。「狼少年」の話ではないが、同じことを繰り返されれば、誠意が誠意として認められなくなることもあるのだから。
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