家庭用紙の大手クレシア、ティッシュの卸売り価格について25%以上値上げと発表

2006年05月25日 19:30

オイルショックイメージ【日本製紙グループ(3893)】【クレシア】は5月24日、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなど家庭用の紙について、卸売り価格を7月18日出荷分から25%以上値上げすることを発表した(【発表リリース】)。ここ数年実売価格の下落が続いていたトイレットペーパーやティッシュペーパーだが、今回の卸売り価格の大幅引き上げにより、小売価格の上昇の可能性も十分考えられる。

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今回卸売り価格を値上げするのは、ティッシュペーパー(5個パック)、トイレットペーパー(12ロール)、ペーパータオル(4ロール)。いずれも「実勢価格の25%以上」とのみ表記されている。リリースによれば今回の値上げはあくまでも「価格修正」と表現した上で、「石油価格の高騰が原因」「これ以上のコスト削減は不可能」「経営努力の範囲を超えている」と説明している。

なお今回のクレシアの動きと前後し、【王子ネピア】【大王製紙(3880)】など大手他社も値上げを検討している。

本日の「25%以上値上げ」の報を受け、一部商店ではトイレットペーパーなど各家庭用紙製品のまとめ買いの動きが見られ、店側でも慌てて規制を行うという話が複数か所で起きている。かつて前世紀に「オイルショック※」と称して石油の輸入が不安定化した際に起きた「洗剤やトイレットペーパーの買占め騒動」と違い、実際に卸売価格の値上げの報を受けての動きなので、ある意味仕方のないことである。

とはいえ、原油高騰の影響がこのような身近なところでも出てくるとなれば、心理的な動揺も少なからずあることだろう。また、トイレットペーパー詰め合わせ優待で有名な【小津産業(7487)】の動向も気になるところだ。

※「オイルショック」:1973年10月に勃発した第4次中東戦争をきっかけに、アラブの産油国が石油生産の削減と原油価格の大幅引き上げという石油戦略を発動。結果として石油の高騰や品不足が懸念された。

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