【更新】中国の国防予算は公表の1.7倍、755億ドル(8.3兆円)と試算

2006年05月26日 06:00

中国軍パレードイメージ[YOMIURI ONLINE]によると軍事情報の分析などで世界的権威の【英国際戦略研究所(IISS、International Institute for Strategic Studies)】は5月24日、世界各国の軍事力や安全保障情勢を分析した『Military Balance 2006-2007(Military Balance)』を発表した。この中で不透明な中国の国防予算に関する特集が組まれ、2003年度予算では中国政府公表額の1.7倍程度にあたる約755億ドルが相当するとした独自の試算を公表した。

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Military Balance 2006-2007(Military Balance)イメージ特集の指摘では、中国の公表している国防予算では、通常西側諸国の国防予算に含まれる「外国からの武器購入費」「防衛産業への補助金」「人民解放軍による外国への武器輸出収入」「調査研究費」「人民武装警察予算」「地域の民兵支援費」などの項目が除かれていると指摘。これらをすべて換算すると、公表額の1.7倍にあたるとしている。

中でも武器購入については「主たる武器供給国はロシア」だとし、大半の武器調達は軍部ではなく、中央政府(国務院)予算から充てられている、と指摘。大使館警備や要人警護を担当する人民武装警察予算も国務院財政省からの支出だとしている。

どの予算枠から軍関係の予算を繰り出すかなどはその国独自の事情があるからあれこれ文句を言い、枠組みの変更を求めるのは(それこそ中国が他国の政策に口を出すような)内政干渉に他ならない。だがその一方、数字として第三者に発表する場合は、世間一般に用いられているルールに従って計算を行うべきでもある。それこそ「脅威論を収めるためにどうにか数字をやりくりして国防費を低く見せた」といわれても仕方がない。

これと前後し[CNN.co.jp]によればアメリカは中国の急速な軍事力拡大が、アジアの勢力均衡を崩して周辺各国に脅威を与える可能性を指摘している。こちらではアメリカ国防総省の試算として「中国の国防予算は実際には700億から1050億ドル(約8兆から12兆円)」との見解をしめしている。

これだけの軍事力拡大を続けておきながら、日本には自衛隊の規模・行動縮小を求め、さらに「貧しいから、経済的に発展途上だからODA寄越せ」など何かと難癖をつけて多額の金をむしり取る。そして少しでも反発の態度を見せると、その軍事力をちらつかせて資源などの「略奪」を行うのだから、(それが本来の「外交」のやり方だとしても)誠に愉快な常任理事国であるに違いはない。


(最終更新:2013/09/18)

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