金融庁、ペイントハウス(1731)の有価証券報告書の訂正命令へ

2006年05月27日 12:50

株式イメージ『証券取引等監視委員会』は5月26日、住宅リフォーム会社の【ペイントハウス(1731)】に対し、2005年8月期の有価証券報告書の訂正を命ずるよう【金融庁】に処分勧告をする方針を固めた(【参照:NIKKEI NeT】)。同委員会による有価証券報告書の訂正勧告は初めて。本来は債務超過であるにも関わらず、資産超過(通常の状態)であると公表していたという。

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同委員会では週明け29日にも勧告を行い、それを踏まえて金融庁から訂正命令が出る見込み。一方ペイントハウス側では今件を踏まえ、この訂正命令の差し止めを求める仮処分と訴訟を東京地方裁判所に申し立てている(【発表リリース、PDF】)。

もしこのペイントハウス側の提訴が通らなかった場合、ペイントハウスは2期連続で債務超過が確定、ジャスダックの規定によって上場廃止となる予定。なお現在、ペイントハウスはすでに監理ポスト・開示注意銘柄に割り当てられている。

先に【ペイントハウス(1731)、上場廃止禁止仮処分命令申立に対する特別抗告など実施】などでも報じているように、ペイントハウスは2005年8月期の決算について、会計処理をして債務超過から脱したものの、その処理内容についてジャスダック側と解釈の違いで争っている。ジャスダック側の解釈に従うとペイントハウスは2期連続債務超過となり、上場廃止が決まってしまう。当然ペイントハウス側では「自らの解釈が正しい」として訴えている。

問題となる会計処理の解釈については、すでに第二審の東京高裁でもジャスダック側の主張を認める判決が出ている。【ジャスダック側の専用ページ】を見れば分かるとおり、債務超過の「判定」=「上場廃止」はなんとしても免れようと、ペイントハウス側があらゆる訴訟手段を用いて抵抗し、時間を引き延ばそうとしているさまがうかがえる。

とはいえ、金融庁から処分勧告が出ればそれに従った(=債務超過を認める)訂正をしなければならないのは事実であり、結果として上場廃止は避けられないと思われる。先の記事を引用すれば、「せっかく債務放棄をしてもらったのに上場廃止となっては意味が無くなる、という事情は分からなくもないが、さかのぼって8月末じめに計上するのはさすがに無理がある」。あきらめたらそこで終わりだよ、という言葉も無くは無いが、事実を都合の良いように解釈するのもそろそろ限界だろう。


■関連記事:
【ペイントハウス(1731)、開示注意銘柄に割当】
【ペイントハウス(1731)、JASDAQの度重なる警告に対して上場廃止禁止仮処分申立て】


(最終更新:2013/08/28)

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