【更新】イワシが1匹1200円! かつて庶民の味、今超高級料理
2006年05月26日 06:00
[YOMIURI ONLINE]によると、かつて庶民の魚として誰もが気軽に口に出来た鰯(いわし)が急騰を続けている。水揚げ量の激減に伴い、今月の東京築地市場では特大サイズではあるがマイワシが1匹あたり約1200円という、昔の人が耳にしたら卒倒しそうな高値で取引されたという。スーパーなどの店頭にも並びすらしない日が多くなり、イワシ料理専門店も「採算以前に入荷できないのではどうしようもない」として閉店を余儀なくされるところも出ている。
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【農林水産省】の調べでは、マイワシの漁獲量は1988年の約448万トンをピークに減り続け、昨年は約2万8000トンにまで減っているという。この漁獲量激減の理由については「1988年からの4年間で、冬場の水温が高くなるなどの気候変動があり、稚魚の生き残りが難しくなったため」と分析している。
イワシといえば江戸時代には肥料として用いられる歴史を持つほど、収穫量は多かった(それほど獲れたということ)。それが今や1匹1200円、1キロにして6000円近く。しかも入荷そのものが出来ない日も多い状況。事情が事情とはいえ、驚くばかり。当方もその昔、魚が嫌いだった時分にカルシウム不足に心配した知人の母親が、得意料理の「イワシのツミレの唐揚げ」を創ってきてくれて、それを大変美味しくいただいた記憶がある。今の価格ではそんなこともかなうまい。
かつては野良猫に奪われるシーンでよく使われるほどに庶民的な食品だった「イワシ」だが、近い将来には高級食材として料亭でたまに出されたり、フルコースのメインディッシュにしか登場しないような位置につけられるようになるかもしれない。
何かがきっかけでイワシだけでなくサンマやサバも似たようなことにならないとは言い切れない。それを考えると少々末恐ろしくもある。
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