ジャスダック、パチンコホール運営会社上場申請を却下
2006年04月29日 18:45
【asahi.com】によると、パチンコホール運営会社から上場申請を受けていた【ジャスダック証券取引所】は4月28日までに、この会社の上場を認めないことを決定した。出玉の景品を現金化するという業界慣習の合法性があいまいなため、投資家への保護を果たせないと判断したための結論。今回のジャスダックの判断基準は他の取引所も採用するものと見られ、上場による資金調達・イメージアップ・社会的地位の向上を目指すパチンコ業界にとっては厳しい結果となった。
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記事には具体的社名は記載されていないが、「昨年12月にジャスダックへ申請」「首都圏に約30店舗を展開する準大手」などの条件から、【ピーアーク】と思われる。昨年年末の12月末に日経新聞などで報じられたもので、今は記事そのものは掲載されていないが【キャッシュデータなど】によると、「法令順守など上場企業にふさわしい管理体制が整備されているかを審査し、問題が無ければ承認する」とある。
ところが元記事によれば今回上場申請が却下された理由としては、業績などではなく刑法が禁じる賭博行為への抵触を避けるためにパチンコ業界が行っている「三店方式」(パチンコ店内部では現金化はせずに景品を手渡し、店外の換金所で景品と現金を交換する仕組み)が問題視されたという。この方式は現在「違法とは言い切れないが合法ともいえない」という、今流行の言葉で言い換えれば「グレーゾーン」的存在。
パチンコ業界では、パチンコ機器やカードシステムなど周辺の企業が上場する中、肝心のホール業界だけは上場を果たせないでおり、今回のピーアークの上場申請はパチンコ業界からも注目を集めていた。業界内部でも新しい監査機関を作って自主的に透明性をあげるなど努力はしてきたが、結局「三店方式」がネックであることに違いは無く、願いはかなわなかったようだ。
「三店方式がダメ」という理由で上場申請却下である以上、パチンコホール会社はこの方式を止めるか「グレー」では無く「白」にしない限り上場は叶わないことになる。だがこの方式はホール会社にとっては生命線に他ならず、一朝一夕では変更は難しい。
上記記事で同時期に申請をすると記載されていた【ダイナム】の上場申請の結果も、恐らくは同様の理由から却下される可能性が高い。
パチンコ業界にとって最大のライバルとなりうる、一時は頓挫したとまで言われていたカジノ関連法案も再び動き出した気配がある。パチンコ業界にとってはまさに踏んだりけったりなお話かもしれない。
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