「ソ連」の象徴スターリン復権か、スターリン遊園地好調建設中

2006年04月28日 06:30

スターリンイメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によるとソ連邦の「赤い神」、あるいは強権政治家として君臨したソ連邦時代の政治家ヨセフ・スターリンの殿堂が今夏オープンの予定でシベリアにて建設中であるという。この「スターリンランド」の建設は、現在のプーチン政権がお墨付きを与えている「スターリン復権運動」とも重なってみえるとのこと。

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スターリンイメージスターリンはソ連邦の強権政治家として名をはせたグルジア出身の政治家。第二次世界大戦中に権力をにぎり、ドイツのヒトラー政権と当初手を結び、その後相対して敵味方を問わず多くの人命を奪ったこと、そして結果的にソ連を守りぬいたことで有名。なおスターリンとは「鋼鉄の人」という意味のニックネームで、本名はヨシフ・ヴィサリオノヴィチ・ジュガシヴィリとされている。

記事によれば「スターリンランド」構想が持ち上がっているのは、若い頃のスターリンが流刑に処されていたクレイカ村という場所。地元で旅行会社を経営するポノマリョフ氏が最近、州都クラスノヤルスクで開かれた旅行博覧会で、州都クラスノヤルスクから約1800キロ離れた同村にソ連時代に建設され、その後フルシチョフのスターリン批判などで放置されてきたスターリン廟(びょう)を復興させると発表したことから明らかになった。

具体的には高さ3メートルのスターリン像や、スターリンが暮らした丸太小屋の復活など施設を拡張し、「スターリンランド」とする計画。地元政府の承認済みだという。建設側は純粋なビジネス目的であると主張するが民主派からは「ドイツでヒトラーランドが建設されるのと同じで、あまりにも不道徳な計画」として反発の声が上がっている。

記事を読んで当方(不破)もはじめて知ったのだが、現在のロシアでは、第二次大戦前後に行われた大粛清を主導したスターリンを、大祖国戦争(第2次世界大戦のロシア側呼称)を勝利に導き、超大国を築いた「偉大な指導者」として、その業績を再評価する動きが進んでいるという。スターリンを超大国への復活という願望の象徴としているようだ。今回の計画もスターリン復権への一歩と分析できるとのこと。

「スターリンランド」というと、「革命パレード」とかいう名前で最前線へ強制徴兵される下向き加減の兵士たちや、行進していくたびに次々と数が減っていく高級将校・政治家たちの姿、スターリンや側近のベリアたちの着ぐるみが風船をお客に渡すものの、少しでも子どものお客がグズッたりイタズラするとあっという間に係員がどこかにつれていって「はじめからいなかったこと」にされてしまうなど、笑うに笑えないアトラクション・イベントを想像してしまう。が、実際の「スターリンランド」にはそんな催しはないであろう。商魂豊かなら、スターリンの置物やペナント、スターリン饅頭くらいはありそうな気がするが。

ネーミングにしても「スターリンランド」というよりは、現在ヴォルゴグラードという名前に変わっているロシアの大都市で、第二次世界大戦におけるドイツとソ連の激戦地、そして史上最大の野戦・市街戦が行われた場所として名高い「スターリングラード」とした方がよいのかもしれない。

ともあれ。果たして「スターリンランド」がどのようなアトラクションを用意しお客に提供してくれるのか、それともむしろ歴史博物館的な構成になるのかもあわせ、今後の展開に期待(?)したいところだ。


(最終更新:2013/09/18)

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