もうすぐはじまる「ナンバーポータビリティー」、どこの携帯会社の端末にする?

2006年04月18日 08:00

モバイルイメージ【NIKKEI NeT】【NTTドコモ(9437)】など携帯電話大手各社が、「電話番号を変えずに携帯電話を変えられる番号継続制度(ナンバーポータビリティー)」の概要を決めたことを報じている。前々から何度と無く語られている話だが、「10月をめどに導入」「番号移転・新規加入の料金は合計で6000円台まで」「解約電話会社におもむく必要は無く、加入先の会社で手続するだけで良い」という形にまとまりそうとのこと。

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上記記事では新聞記事の抜粋を無理やり行ったようで、意味不明な文脈で本文自身が終了している。幸いにも【総務省】でこの制度に関する詳細な解説ページ(【携帯電話の番号ポータビリティ】)があるので、こちらを読み解くと良いだろう。

今システムの名称は「ナンバーポータビリティ」。「(携帯)番号ポータビリティ」「番号継続制度」とも呼ぶが、先の参照記事の「番号持ち運び」という略名は聞いたことがない。ともあれ、要は「これまで携帯電話のシステム提供会社が変わると電話番号も変える必要があったのが、このシステムを用いれば番号を変えずに済む」というもの。新しい携帯電話に買い換えたいが、提供会社が違うので電話番号を変えねばならない、でも知り合いなどにわざわざ連絡をして電話番号が変わったことを伝えるのは大変だ、という心配をしなくても済むようになる。

また、この制度の導入で、上記のような「電話番号の変更のための会社乗り換えにちゅうちょする」ことが無くなるので、携帯電話会社同士の競争が激しくなるのは間違いない。また、新規参入した会社などにもこの制度導入が義務付けられているので、新規参入会社がステキな携帯電話端末を発売したのに電話番号を変えたくないから買えないな、という理不尽な悩みをかかえることもない。

ただ、いくつか注意すべき点もある。PHSはこの制度の対象外であること、衛星携帯電話やデータ通信専用端末もこの制度を利用できないこと、さらにメールアドレスは移行ができないこと。さらに、購入済みのコンテンツや電子マネーなども引継ぎができない場合がある(これは同一会社内で新規端末を買うときにもいえることだが)。

要はユーザーにとっては、「電話番号が変わる」という縛りから解放されることになる。制度導入後は、新規加入を増やしている=端末や通信プランに魅力があると市場から判断されている【au(KDDI)(9433)】への移行が急増するものと思われる。が、利用ユーザーが急増した場合、それに対応するだけのインフラを整備できていないと「つながりにくい」「かかりにくい」「メールが遅延する」などのトラブルも多発してしまう。結局のところ、ユーザーの増減とサービスのよしあしのバランス調整が市場原理に従って調整され、現状とさほど変わらない市場構成に落ち着くのではないかと思われる。

もっとも、新規参入する会社(特に[ソフトバンク(9984)])が活気的なサービスを継続提供することになれば、その勢力図も変化が生じてくるのだろうが。

ともあれ、制度導入後1年ほどは各事業会社も競争に躍起になるだろうし、勢力図も激変することは間違いないだろう。

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