【更新】「塾に通えない人は公立塾へどうぞ」?

2006年04月16日 07:00

時節イメージ[YOMIURI ONLINE]によると【文部科学省】は来年度から、退職した教職員OBによる学習指導を全国でスタートさせる方針を固めた。経済的理由などで塾に通えない子どもを支援し、塾に通う子ども・通わない子どもの学力格差を解消するのが目的。カリキュラムとしては放課後や土・日に国語や算数・数学などの補習授業を行う。

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具体的には、対象は希望する小中学生。時間は放課後や土日、さらに夏休みなどの長期休暇、場所は教室や公民館、児童館など。受講は無料だが、テキスト代は参加者に負担してもらう方向。

先生役となる教職員OBは、人材バンクのような登録制のシステムを作る。謝礼については今後さらに協議する予定。

これらの動きは、文部科学省が「地域子ども教室」(地域住民と子どもたちが一緒に遊びやスポーツを楽しむ仕組み)を推進しているのにあわせた動きだという。

今回の公立塾制度の模索内容は、警察官のOBが地域防犯に役立とうと警察官の補助的な役割を果たす「交番相談員」の制度に似たところがある。「経済的に塾通いができない子どもを学力面でサポートする」「定年を迎える団塊世代の受け皿を作る」など、メリットが多いようにも見える。

とはいえ、防犯と教育では状況が異なる。学校内での教育を補うのが塾であり、その塾に行ける・行けないの差別化を無くすために公的に塾のようなものを促進させるのなら、そもそも学校内カリキュラムに組み込んだ方がよいのではないか、公の機関が塾を開設するのは本末転倒ではないか、という気がしなくもない。

いっそのことNPOを設立するなり既存NPOに依頼するなりして、そこに任せた方が良いような気がするのだが……。それともこの学習指導がすでにNPOによる運営を前提としているのかもしれない。

ともあれ、公立・私立学校ならぬ「公立塾」「私立塾」という区分が必要な、おかしな状況になりそうである。

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