「誤発注待ったルール」が導入へ、日本証券業協会と東京証券取引所が方針固める
2006年04月09日 13:15
【NIKKEI NeT】などによると【日本証券業協会】と【東京証券取引所】は、株売買において誤発注があった場合、「売買成立後」でも取引自体を取り消せる制度を導入する方針を固めた。4月7日に行われた日本証券業協会会合に東証関係者も参加し、合意したという。先の【ジェイコム(2462)】株式誤発注問題の際に、利益を得た証券会社が事実上の利益返上を求められた時、「ルールが明確化されていないのに返却するとなれば株主に説明できない」とクレームのあった外資系証券会社などの意見が大きく影響しているもよう。
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協会の要請を受けて東証は、売買ルールの変更に取り組むことになる。具体的なルールは先に【東証、誤発注被害防止のため上場株式数30%超の注文を受け付けないシステムを導入へ】でも報じた、自民党との小委員会で話に登った内容とほぼ同じ。概要としては
・誤発注の注文数が5%以上、証券会社が決済できない場合に無効申請を東証に行う
・東証が決済できないと判断したら売買相手が「了解しなくとも」取り消しできる
・誤発注で買い入れた株式を直後に売り、その後誤発注取り消しが確定した場合でも取り消せる※
・誤発注確定の場合決済の必要が無くなる
ということのようだ。なお海外ではドイツ・アメリカナスダックでは相手の了承ナシに誤発注取り消しが可能、ロンドンやアメリカニューヨーク市場では相手の了承の上で取り消せる制度があるという。
なお、※にもあるが「誤発注で買った株式を誤発注確定前に売りぬけた場合、売りぬけの売買も取り消しになるかどうか」について記事では記載されていない。つまり、「A証券が誤発注で売り注文を出し、そこで個人投資家Bが安値で購入。直後にBが売り注文を出しその株式を別の個人投資家Cが購入。その後A証券が誤発注申請をして、A・B間の取引が無効」となった場合、善意の第三者であるCに株式が渡る過程となった「BとC間の取引」も無効になるかどうかが問題となる。
実際、相対取引ではないのだから、現実の現金・株式のやり取りは3営業日後なので、「Bが保有している株式の取得取引がナシになったので、BとC間のやり取りの前提となるBの株式所有も無くなるから、BとCの取引はナシってことで」ということに落ち着くのだろうが、善意の第三者たるCにとっては納得がいかないところが出てくるだろう。
そもそも誤発注であろうと成立した分は相手のいる取引には違いないのだから、上記のような場合、善意の第三者たるCが首を縦に振れるようなルール策定を望みたいところだ。
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