ビブロス破綻の原因、自己破産した碧天舎の債権者説明会開催

2006年04月07日 12:30

時節イメージ【コア層向けで著名な出版社ビブロス、負債総額20億円で倒産】でも報じたとおり、コア層向け出版で著名なビブロス破綻の引き金となった【碧天舎】の債権者説明会が4月6日に開催され、そのようすが【新文化】に掲載された。説明会にはビブロスの社長でもあった山本裕昭・碧天舎社長も出席した。

スポンサードリンク

詳細レポートは上記記事を参照してほしいが、書籍、原稿絡みの概要としては

・碧天舎は3月31日現在で8億2400万円の債務超過。配当は不可能。
・出版契約は解除されるが、原稿、出版物はすぐに返還はできない。
・書籍在庫は大村紙業にある。原稿は会社内だが場所の確認はできないし、会社そのものは管財人の管理下にあるためすぐに動かせない。
・製作途中、完成済みの書籍は他の出版社に引き継いでもらえるよう交渉中。


とのこと。経営的な面としては、先の「(清算による)配当は不可能」以外に、会社そのものが創業時から赤字経営でビブロス・山本社長個人で約6億円をつぎ込んだが経営体質の改善はかなわなかったとしている。また、特に、広告出稿や流通経費の目論見があまく、営業収支段階で赤字が出るなど、見通しがなっていなかったことを山本社長は説明したという。

「お金を支払っていたのに本が出版されていない」250人を超える自費出版の著者らが「資金集めだったのか」「破綻が目に見えていたのに金を集めたのか」などと山本社長に詰め寄る場面もあったという。また、自費出版ビジネス自体には「(ビジネスモデルとして問題があるのかについては)コメントしたくない」とコメントしている。

ビブロスの破綻(4月5日に破産申請)も、今回の説明会のようすを見る限りではビブロス自身の経営に問題があったのではなく、半ば以上山本社長個人の思惑による碧天舎への注力の結果であることを考えると、(特にビブロスから出版された書籍のファンには)憤(いきどお)りを覚える人も少なくないのではないだろうか。また「ワンマン社長による非連結会社への注力による破綻」という図式は、上場のしょう油会社「サンビシ」が破綻した図式に似ており、当方(不破)としては複雑な心境でもある(【参考:サンビシ(2808)突然の民事再生手続開始。前兆はどこに?】)


(最終更新:2013/08/28)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ