見やすさ優先? それとも広告エリア確保? 法人系ゲーム情報サイト画一化の謎

2006年04月05日 19:30

ゲームイメージ4月1日を過ぎ新年度に突入したこともあって、多くのサイトでデザインや構成のリニューアルが行われた。その中で気になることをひとつピックアップしてみる。すでに多くの人がお気づきだろうが、法人系のゲーム情報サイトのいくつかがリニューアルを行い、結果としてそのほとんどが似たようなデザインになってしまった。ブログ・サイトデザイン的には「3カラム化」といわれるものだ。

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「3カラム化」というのは簡単に説明すると、本文をはさんで左右両脇にメニューなどを表示するサイドバーが存在するもの。無料で開設できるブログサービスではディフォルトな形でもあり、多くの人が目にしているはず。

とはいえ、法人系ゲームサイトではそれぞれが独自の色合い・特色を出すために、特にトップページでは特徴あるデザインで情報を提供していた。一方、【GAME Watch(インプレス)】【IT media(ソフトバンク)】では昔からCMS(コンテンツ・マネジメント・システム。要はテキスト+αを用意すればテンプレートに従ってページを形成してくれるシステム。ブログもこれの一種)を使っていたこともあり、比較的昔から3カラム化を採用していた。

ところが、この4月から、【eg】【電撃オンライン】【ファミ通.com】が相次いでトップページなどのリニューアルを実施、3カラム化を実現してしまった。

3カラムイメージ
3カラムの説明。本文の両脇をサイドメニューなどのエリアが占める形。コンテンツボリュームを増やせる利点がある一方、サイズの調整がうまくなされないと、横スクロールバーが出現し読みにくくなるという難点がある

3カラム化だけならともかく、トップページの構成の類似度の高さには驚きを隠せない。トップページには多少の違いこそあれど、

・各記事のタイトル
・機種などのテーマアイコン
・ダイジェストテキスト(キャッチコピー、概要)
・イメージカット


が1セットの詳細記事リンクがずらりと並ぶスタイル。ぱっと見ではどこがどのサイトか分かりにくい形となってしまった。ではなぜこのスタイルが一斉に採用され、まるで法人系ゲーム情報サイトにおける共通フォーマットのような形となったのか。

非法人系(主に個人系)サイトがこのスタイルを主流としているから、というのもあるだろう。シンプルなデザインにして読みやすさを提供する意図があるのかもしれない(一部サイトではかえって読みにくくなっているが)。

しかし実情としては「2カラムよりは3カラムの方が広告が多く載せられる(掲載スペースを用意できる)」のが真相だろう。事実、【IT media】以外においては右側のサイドバーはベタのバナー広告が占めている(IT mediaだけはその他コンテンツも含まれており、そういう意味では好感が持てる)。

だが、主にブログ系サイトのSEO界隈ではすでに言われていることだが、「3カラム化したサイトでは両脇のコンテンツはあまり見られない」という有力な説がある。実際、両脇のコンテンツと本文すべてに目を通す人は少ない。一画面上に現れる大まかな区切り・エリアが増えた場合、一つ一つに向けられる注力が減るのは当然のこと。もちろん、右側にバナー広告が多いのもそれなりな理由があるが、それはここでは語らないでおこう。

個性を切り捨て没個性にしてまでデザインを変えた法人系ゲーム情報サイト。その変更による結果が出るのは数か月後だろう。結果が出た後、どのような「方針転換」「修正」に迫られるのか、それとも「成果」をさらに拡大するのか、今は誰にもまだ分からない。

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