新銀行は両社が1対1の割合で出資した設立準備会社を立ち上げ、それが移行する形で設立される。新銀行でのサービスは、「携帯電話の特長を最大限に活用した、これまでにない金融サービスの提供によるモバイルネット金融事業」と説明されており、具体的には携帯電話番号での振り込みや端末から即時口座開設できるサービス、ショッピングやオークションなどで利用できる決済サービスなども提供予定。

携帯電話本体の会社を変えても電話番号が変わらない番号ポータビリティの導入や[ソフトバンク(9984)]など新規会社の参入(ソフトバンクの場合は「新規」とは言いがたいが)により競争が激化する一方、携帯電話自身の機能向上で利用される目的が拡大し、モバイルによるEC市場も成長が見込まれる。携帯電話と金融分野でのニーズ拡大を見越した両社の思惑が一致しての今回の新銀行設立となったようだ。

なお新銀行は携帯電話がメインのネット専業銀行となる。オンライン決済を中心とした決済銀行の位置づけに近いものだという。携帯電話を通帳として利用できるサービスなど、携帯電話ならではのサービスを充実させる一方、パソコンとの連携も検討しているとのこと。また、口座に現金を入金するためのキャッシュカードが発行される予定だが、おさいふケータイなどとのリンケージは未定だという。

今後携帯電話の金融部門への浸透を見越し、他のキャリア(携帯電話本体提供会社)と大手銀行との間で、今件のような新銀行設立の動きが見られることは容易に想像がつく。もし仮に最大手の【NTTドコモ(9437)】が動くとして、果たしてどこと手を結ぶのか、気になるところだ。