日本リテールファンド(8953)、役員会議事録のねつ造で証券取引等監視委員会から勧告
2006年04月19日 06:30
【証券取引等監視委員会】は4月18日、不動産投資信託(REIT)の【日本リテールファンド投資法人投資証券(8953)】に対し、役員会議事録の不実記載(ウソを書いたこと)があったとして、【金融庁】に対し行政処分を行うよう勧告が行われた(【発表リリース】)。
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リリースによれば具体的には2002年2月から2005年8月までの35回の役員会のうち、計算書類承認や投資口追加発行承認に関する9回の役員会について、その役員会の議事録が実際に行われた月日の翌日以降に開催されたものとして作成されたとしている。
議事録の月日改ざんにより、その改ざん議事録を元にした有価証券届出書が事実でない部分があったこと、そして役員会で決定された事項は直ちに公表されなければならないのにそれを怠ったとする「適時開示規則違反」などが勧告対象とのこと。
要は、上場企業に義務付けられている「決めたら株価や株主に影響があるからすぐに公表しなければならない」と定められている事項の発表を遅らせ、さらにその遅延をごまかすために役員会の議事録の日付を後にずらした事実が判明し、証券取引等監視委員会のおしかりを受けたことになる。
日本リテールファンド側でも勧告があった当日に事実を認める発表を行っている(【発表リリース、PDF】)が、なぜそのようなことを行ったのかの理由は説明されていない。日付の繰り延べが日常茶飯事化していたのか、何らかの意図があって「実際に内部決定した決定月日」と「公開する月日」にズレを生じさせる必要があったのか、今のところその意図するところは判らない。
もし前者が理由だとすれば上場会社にしてはルーズでしかなく、後者であれば悪質な脱法行為が行われた可能性がある。金融庁からの行政処分が実際に下されれば、さらなる発表なり報道が行われ、その実情が分かるかもしれない。
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