「果報は寝て待て」金融危機回避のために政府日銀保有の株式、含み益7兆円に
2006年04月11日 12:30
【NIKKEI NeT】によると1990年代の金融危機が叫ばれていた時代に政府が金融危機の回避を狙って日銀らと共に金融機関から買い取るなどした株式の含み益が、昨今の株価上昇に伴いふくらんでいるという。試算では2006年3月末の段階で7兆円を上回るとの話もある。保有したままでは「とらぬタヌキの何とやら」だが、実際に売却して利益が確定できれば、損失の穴埋めをすることができる。
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具体的には1992年から政府は銀行へ資本注入(増資)などの形で、公的資金を約51兆円投入、そのうち約10兆円が、預金の全額保護などの財源として使われた。今後この株式を売却し、利益が出た場合、一部を除いて国庫へ納付され、危機的な状況の国家財政の再建に寄与することになる。記事ではこの含み益の増大を、金融危機に対する安全網が利益確定と共に役割を終えたことを象徴する、としている。
「金融危機を回避するため」として暴落と言ってよいほどに下落した株式を買い取った上でさまざまな政策を施し株価を上げ、その上で売却するあたり、一歩間違えば「マッチポンプ」的に見受けられるかもしれない(苦笑)。とはいえ、利益がきちんと国のために役立ち、しいては国民自らに還元されるのなら、それはそれで良いことなのだろう。
ただ、利益を確定するためには市場で売却する必要がある。先の「持ち合い解消に伴う市場での売却圧力」で株価の頭が抑えられたように、今回の政府持ち株が積極的に市場売却されるということにでもなれば(そういう話が出るだけで)、株価の上値が抑えられることになるかもしれない。もちろん無謀な売り方はしないだろうが。
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