急増する「未公開株」詐欺。昨年同期の約6倍、中高年齢層にターゲット

2006年04月07日 06:50

株式イメージ【国民生活センター】の報によると、企業の未公開株式の購入を巡る苦情の相談が2005年度に入って急増し、今年1月末現在の相談件数が前年の同期の222件に比べて約6倍の1296件に達していることが明らかになった(【発表ページ】)。

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「未公開株」詐欺とは今相次ぐ急騰で「買えば必ずもうかる」ともてはやされている(まるでかつての「リクルート未公開株事件」を思い起こさせるような)上場前の未公開株式について、ダイレクトメールや勧誘メール、電話などで「あなただけに」「諸般の事情で持ち主が売らざるを得なくなったので」などと状況を説明し「買えば必ずもうかる」「週刊誌などでよく言われているように」のようなセールストークで「未公開株」の販売をもちかけるもの。

だがリリースで提示されている問題点「“営業としての”販売等なのか、個人間の相対取引なのかが不明瞭であること」にもあるように、基本的に未公開株の販売などを行うのは登録を受けた証券会社に限られ、さらにグリーンシートとよばれる銘柄以外の未公開株式の勧誘は自主ルールで禁じられている。勧誘側曰く「個人間相対取引だから、営業取引ではないので登録は不要だし法律にも抵触していない」と説明することが常だが、そもそもじゅうたん爆撃的に電話やメールで勧誘している以上、事実上の営業行為に他ならない。

このような「未公開株詐欺」の問題点はいくつもあげられるが主なものとしては

・「近々上場する銘柄が事前に手に入る」ということで買ったが
1)実際には上場しなかった、する予定はなかった(言い分:上場する「予定」だったが変更になった)
2)上場する会社とは別会社だった(単なる詐欺)
3)会社そのものが存在しなかった(同上)
4)上場は果たしたが一般市場価格の数倍もの値で買わされており大損した(言い分:投資は自己責任)


などのパターンがある。これらのほとんどの場合、証券取引において法的に義務付けられている事前の説明要件に欠けるところがある(それどころか虚偽説明の勧誘による詐欺的行為)。また、だまされたのではないかと気が付いて解約しようとしても連絡が取れなくなったりべらぼうな手数料をとられたりなど、ごく一般的な詐欺となんら変わらないものもある。

発表ページではこれからますます多発するであろう「未公開株詐欺」に対し次のようにアドバイスをしている。

上記の問題点を踏まえ、株取引などと日頃無関係な一般消費者がトラブルを未然に防ぐには、「値上がり確実」などといったセールストークに惑わされず、勧誘には応じずにきっぱり断ること。また、不審を感じたら最寄りの消費生活センター等に相談すること。警察の摘発事例もあるので、詐欺的な要素が強いと思われるケースでは警察に届け出ること。


これらの詐欺グループのセールストークでは、「幸運なあなただけに」「自分らは十分儲けているのであなたにもこの喜びを」「持ち主の諸事情で早急に売らねばならなくなったので」「よく雑誌で言われているように」「報道されているのは損をしたごく一部の人たちだけ」と言葉巧みな言い回しを用いるのが常。

退職金やその他の理由で小金を手に入れているとついついそういう甘い誘いにのりそうになるが、彼らには正論で「本当に私のような身もしらずの第三者に、あなたが言うところの未公開株での幸福を分け与えたいというのなら、その株式の購入代金をあなた個人が私に無担保無利子無返済義務で貸して下さい。そのお金で私がその株式を買い、儲けたら利益を私とあなたで折半しましょう。それでいいですね、何せあなたは必ずもうかる、といっているのだから、それで問題ないはずですよ」とでも逆提案するが良いだろう(苦笑)。

実のところは、こういう話はまず100%詐取を狙ったものであるから、相手にしないのが一番なのだが。うまい話がそう転がっているはずはない。

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