モリタ(6455)、消火手投げ弾「消救弾」開発

2006年04月16日 20:00

火事イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると消防関連機器の開発・販売の最大手の【モリタ(6455)】が、放火による被害を食い止める目的で手投げ型消化剤「消救弾」の開発に成功した。今年に入ってから本格的な販売が始まっているという。

スポンサードリンク

記事によれば「消救弾」は球型のガラスフラスコのような形をしており、中には青色の液体「燃焼抑制剤」が入っている。この「燃焼抑制剤」、石油コンビナートなどに配備されている、引火性の高い液体に対する専用消化剤をベースに開発されたもの。ガソリンなどが気化して可燃性蒸気となって着火する前に、液体の表面を泡状の燃焼抑制剤が覆いかぶさることで、引火爆発を防ぐという。

フラスコ型の容器にはポリスチレンを採用。ガラスでは投下後の処理や安全性を考えるとイマイチだという。さらに投下先がじゅうたんなど柔らかい場所だった場合も想定し、容器内部にガラス玉を収め、内部からの衝撃で容器が割れて中身が発散する工夫もほどこされている。1つの「消救弾」には140ミリリットルの燃焼抑制剤が入っており、約倍のガソリンなどのような引火性液体の引火を防ぐことができる。

まだ実際に犯罪現場などで使われた実例はないようだが、滋賀県警や愛知県警、住友信託銀行などが採用、配備を進めているとのこと。基本セット9本入りで2万2500円、3本で7500円。薬剤の耐用年数は3年。なお、あくまでも着火の抑制効果を狙っているもので、家庭用消火器のような消火には向かないという。

ドイツ軍手りゅう弾イメージ消防隊には猛烈な威力で消化剤の「弾」を発射し、遠く(あるいは高い位置)の場所にある火災地点の消火を試みる「小型投てき消火弾」があるという話を聞いたことがある。また、個人的にも「高いところにはしご車やホースの水が届かず高層ビルなどでの消火作業は大変という話があるが、ならば(発射時の衝撃で破裂しないように工夫した)携帯型ミサイル・ロケットのような消化弾を開発して装備すれば良いのではないか」と考えたこともある。要は軍用兵器のコンセプトレベルでの活用なわけだが、今回の「消救弾」もそれに近いものがあるのかもしれない。

だとすれば、「消救弾」の形で近々球型の商品も発売される予定なのも(手りゅう弾の形を考えれば)なるほど、といったところ。もう少し割り切って、手りゅう弾の中ではもっとも遠くに投げることができるとされている、ドイツ型手りゅう弾(写真参照。その形からジャガイモつぶしと言われている)タイプのも作れば良いのに……と思ったが、そもそも店舗内の放火犯罪ではそれほど遠くに投げる必要もないだろうから、別の用途で必要になるかな、とも考えたりする。

なおこの「消救弾」、一般販売はしていないようで、モリタの公式サイトには一切記事・画像が掲載されていない。引用元の記事には写真が載っているので、具体的なビジュアルはそちらをご覧あれ。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ