汚水処理施設談合事件でクボタ(6326)や栗田工業(6370)など6社を家宅捜査

2006年04月25日 19:30

株式イメージ【Mainichi INTERACTIVE】によると自治体などが発注する汚水処理施設の建設工事を巡る談合事件で、【公正取引委員会】と大阪地検特捜部は4月25日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑などで【クボタ(6326)】【住友重機械工業(6302)】【栗田工業(6370)】【タクマ(6013)】【アタカ工業(1978)】【西原環境テクノロジー】の計6社の本社などに家宅捜索に入った。公正取引委員会は今年1月の法改正施行で強制調査権(犯則調査権)を与えられることになった(公取委が裁判所に令状を請求して企業を捜索する)が、今回の家宅捜索はその調査権の初行使の事例。捜索は明日26日も行われる予定で、【日立造船(7004)】【JFEエンジニアリング】なども捜索対象になる。もちろん検察当局との合同捜索も初めてという点でも注目されている。

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今回の事件ではすでに特捜部が競争入札妨害容疑で関西にあるメーカーの本社の捜索をしているが、今日は東京の本社が主な捜索対象となった。調べなどによると捜索された6社以外に【荏原製作所】などあわせて11社は、

施設設計を受注したコンサルタント会社に協力の競争を行い、もっとも協力貢献度が高いメーカーが受注の権利を得る


という、すっとこルール「汗かきルール」に基づき、落札業者と金額を決めていたとされている。

関係各社の営業担当らはすでに談合の事実を認めており、当局側では今回押収された資料を基に、さらに容疑を固めるもよう。

なお今記事で名の上がった会社すべてについて、公式には今件に関するコメントを発表していない。元記事ではクボタが「家宅捜索を受ける事態に至り誠に遺憾。捜査に全面協力したい」とコメントしているという表記が見受けられる程度である(捜索中であるということからだろうが)。

企業同士のやりとりなら談合して値をつり上げても、得損関係は企業間の話なのだから、それほど問題があるわけではない(程度の問題、という意味。良し悪しとは別)。今件が特に問題なのは相手が官公庁が相手であり、談合の結果、税金が無駄遣いされて談合した企業間に「甘いミツ」として渡ってしまうことにある。慢性的な財政不足の要因の一つが談合にあるとするのなら、取り締まりは強化すべきであって、どこぞの長のように「構造的に仕方がない」と開き直るのは問題外といえよう。

それにしても捜索を受けた会社すべてが、IR上で何の反応もしめしていないのはいかがなものだろうか。内容についてコメントするのは先にもあげたように捜索中の案件であるから仕方ないにしても、クボタのコメントのように「(事の真相についてはともかく事実として)家宅捜索を受けた事態は遺憾であって、捜査に全面協力する」くらいの気が利いたコメントをリリースで流すことくらいはできないのだろうか。

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