ストックのお礼はシロップ5トン! トリノ冬季オリンピックでカナダとノルウェーの間に交わされた甘い友情話

2006年04月06日 21:00

メープルシロップイメージ『ヤフーニュース』によるとトリノ冬季五輪のスキー距離女子団体スプリントの決勝戦の最中、ストックが折れてしまったカナダの選手に新しいストックを差し出したノルウェーのコーチBjoernar Haakonsmoen氏に対し、4月5日カナダから5トンものメープルシロップが贈呈された(5キロ、の誤植ではない、【原文記事はこちら】)。

スポンサードリンク

この話は競技中にストックが折れてしまったカナダの選手にノルウェーのBjoernar Haakonsmoenコーチが新しいストックを差し出し、それに助けられてカナダは銀メダルを獲得、ところがノルウェーチームは4位入賞に留まったことから、カナダ・ノルウェー両方の国で大きく取り上げられることになった。つまり「自国を差し置いた形になってしまっても、スポーツマンシップにのっとりカナダ選手の銀メダル獲得を助けてくれた」というわけだ。

ノルウェーにあるカナダ大使館では4月5日に式典が行われ、感謝の気持ちを表すために7400個ものメープルシロップが贈呈された。缶には多くの贈呈者からの感謝のメッセージが描かれていたという。コーチ当人は「反射的にやったこと」と謙遜したが、主催者側は「暗いニュースが多い中、あなたの行為はオリンピックの精神を体現したすばらしいもの(Much of the news we read is bleak...but your action embodied the spirit of the Olympics)」と称えている。メープルシロップを受け取ったコーチは「シロップは好きだけどこんなには食べられないよ(I like maple syrup, but not in these quantities)」と語ったとか。

コーチの行為はノルウェー国内でも称賛され、コーチが支援するガン撲滅運動の慈善団体に携帯電話会社が15万クローネ(約274万円)が寄付されたという。

メープルシロップイメージところでなぜノルウェーのコーチにメープルシロップが送られたのだろうか。調べてみると、メープルシロップはカナダの一大特産品で、世界のメープルシロップ生産の85%以上を占めているという。しかもカナダにおいて単一商品の輸出でメープルシロップを上回るのは冷凍フレンチフライだけとのこと(【カナダ大使館内サイト】)。さらに、メープルシロップといえばホットケーキやクッキー、パン、洋菓子だけでなく肉・野菜料理にも使われる、カエデから採れる甘い樹液だか、厳密にはカナダの特定の州産出のでないと「メープルシロップ」と呼んではいけないそうだ。いわば国内外共にカナダを代表して誇れる食べ物であるからこそ、ノルウェーのコーチへのプレゼントに使われたのだろう。

とはいえ5トン、7400個というのはやはりやりすぎかもと思ったが、記事をよく読むと日本語訳の方にはないが「Many donors wrote messages of thanks on the cans.(缶には多くの提供者が書いた感謝のメッセージが描かれている)」とある。恐らくは「ノルウェーのコーチにカナダの名産品であるメープルシロップを送ろう」というキャンペーンか何かをしたところ、7400個も集まってしまった、というのが実情だろう。そういうことであるのなら、多少度は過ぎてしまったかもしれないが、良いお話であることに違いはない。

ちなみに、『楽天市場で調べてみたが』写真にあるような缶詰のメープルシロップは見つからなかった。日本では瓶詰めが一般的であり、缶タイプはあまり輸入されていないのだろうか……。


(最終更新:2013/09/04)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ