ドイツのエニグマ暗号解読装置がイーベイに出品中。現在384万円ナリ

2006年04月01日 09:30

エニグマイメージ[このリンク先のページ(Cnn.co.jpなど)は掲載が終了しています]によると第二次世界大戦中にドイツが用いていた暗号解読装置エニグマ(Enigma)がインターネット競売の【イーベイ(ドイツ版)】に出品されているという。現在、27050ユーロ(約384万円)の入札値がついている。

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エニグマイメージ【実際に出品されているエニグマ】のデータを見る限り、今出品のエニグマは1941年に製造されたものとみられ、キーボードには緊急暗号の発信装置もついている。重量は約10キロ。記事によれば、専門家の鑑定ではドイツの国家統制機関が使ったものである可能性が高く、また緊急暗号発信システムは本物であるとのこと。ランプが3つほど欠けてはいるが保存状態は非常によい。

エニグマはドイツ軍が用いていた、簡単な暗号機で複雑な暗号をつくることができた暗号システムで、特に大戦前半では連合軍側が大いに頭を悩ませたものとし、「戦車や戦闘機よりも強力なドイツ軍兵器」とも揶揄された。また、コンピュータ理論で著名なューリング博士らによって解読されたり、数々の戦争映画に登場することでも名を知られている。

エニグマによる暗号の作成そのものは本体があれば非常に簡単で、事前に設定されたとおりにローターを回し(この組み合わせは毎日変わる)、その上でタイプライターと同じようなキーを押していけば暗号化された文字列が出力される。【情報処理概論のエニグマ解説ページ】では、エニグマの概略紹介と共にエニグマそのもののシミュレーターが掲載されており、実際のエニグマの仕組みを用いた暗号化にトライすることができるので、是非一度試して欲しい。

世界の暗号史に名を残しているだけでなく、コンピュータ史や世界史そのものを変えた暗号機エニグマの実機が、最終的にどれくらいの値段がつくのか、興味深いところではある。

余談だがエニグマは映画「U-571」や「エニグマ」にも登場、また後者ではミック・ジャガー氏が保有する本物(とされる)エニグマが用いられたという。

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