大手商社が次期主力戦闘機の売りこみをスタート。成功すれば1兆円超の大商談
2006年04月20日 06:00
【NIKKEI NeT】によれば【防衛庁】【航空自衛隊】が導入を検討している次期主力戦闘機「FX」について、大手総合商社が売り込みに動き出した。受注をもぎ取ることができれば総額で1兆円を超えるともいわれている超大型商戦なだけに、各社ともしのぎを削る争いを始めているという。
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記事によれば先に【空自の次期主力戦闘機はF22? それとも……調査対象は6機種】でもあげたFXの候補機種のうち、
F/A18戦闘攻撃機(アメリカボーイング製)【伊藤忠商事(8001)】
F15FX(アメリカボーイング製)【双日(2768)】
ユーロファイター(ヨーロッパ共同開発機)【住友商事(8053)】
F22A戦闘攻撃機(アメリカロッキード・マーチン製)【三菱商事(8058)】
についてそれぞれ大手商社が販売代理店権などを取得した。
元記事ではF15FXやF/A18が現行機種からの差し替えの関係から有利なように表記されているが、すでに報じたとおり防衛庁側の予備調査の実情を見る限り、F22Aになる可能性が高い。とはいえ、F22Aは量産を前提としてコストダウンが積極的に行われているF35Aと比べても極めて高額であり、それを考慮すると、「F22Aのみ」以外に「F22A→F35」や「F15FX(F/A18)→F35」のパターンも考えられなくはない。つまり、最終的に「安価で高性能な」F35を導入するが、それまでは一時的な穴埋め代替機として、F22AやF15FX・F/A18を導入する可能性も否定できないということだ。
防衛関係ではひさびさの超大型案件なだけに、防衛の現場以外の商社間でも、激しいやり取りが交わされそうである。
実際のところ整備のしやすさなどまでを考えると、F15FXを導入して急場をしのぎ、F35が導入される2010年以降はそれを導入する、というのが効率的・実務的なのだろう。が、F35はアメリカ本土でも実戦配備が始まったばかりで、日本が買えるかどうかはまったくの未定。また、売り場の少ないF22Aが政治的配慮から買わされる、という場合もありうる。果たして最終的な機種選定はどのように決定するのか、注目したいところだ。
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