【更新】抗不安剤の常用化への懸念、1割が10年以上の使用

2006年04月30日 11:30

[YOMIURI ONLINE]によると、不安な気持ちを和らげる効果があるとされている「抗不安剤」を服用している人のうち、継続服用期間が10年以上に及ぶ人が11%、5年以上10年未満の人も22%に及ぶことが、製薬会社の【グラクソ・スミスクライン】の調査で明らかになった。この薬には依存性が指摘されていると共に、日本における処方量が海外の10倍前後と多いため、専門家らは安易な服用は慎むべきであるとしている。

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グラクソ・スミスクラインのサイト上には調査結果が掲載されておらず元記事からのみの参照になるがそれによると、抗不安剤の中でも多く利用されているベンゾジアゼピン系の薬を一か月以上服用しながら、精神科などの専門医へは受診していない429人を対象に調査は実施。安全な服用期間の目安とされている3か月以内の人はわずか14%にすぎず、もっとも多かったのが5年から9年の22%、次いで2年から3年の21%、平均服用期間は4.2年だったという。

また、この薬を長期服用している人の3割もの人がうつ状態を併発しているのに、抗打つ剤は服用していなかったことも明らかになっている。恐らくは自己判断で、抗不安剤をそのまま抗打つ剤としても服用したのだろう。

記事では大学教授の話として「抗不安薬は不眠の改善などを狙って処方されることも多いが、うつなど本来の症状が隠れたり、やめにくくなったりする場合もあり、漫然と使うべきではない」という警鐘も行われている。確かに指摘の通り、うつ状態の一症状ともいえる「不安状態」を解消する「抗不安剤」を服用することで「不安状態」は解消されるので、大元の原因であるかもしれない「うつ状態」を認識するのが難しくなる場合は十二分に考えられる。例えるのなら、河川をキレイにするためには、川べりや川底の掃除をするのはもちろんのこと、工場や住宅からの排水にも気を配らねばならない、ということになる。要は対処療法では根本治癒は叶わない、というわけだ。

なおグラクソ・スミスクラインは同社の主力商品の一つである抗うつ薬などとの関連から、うつ病に関する情報をまとめたサイト【こころのくすり箱】を運営している。ハンドブックの無料配布・PDF版のダウンロードサービスもあるので、少しでも心当たりのある人はチェックしてみると良いだろう。

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