「日刊ウィニー(Winny)流出情報」のような毎日に備えるために
2006年03月19日 09:10
P2P(個人対個人)向けファイル交換・共有ソフトとして日本でもっとも知名度の高くなったソフト、ウィニー(Winny)。開発自体は2002年に行われたかなり古めの部類に入るが、普及度では恐らくナンバーワンだろう。そしてウィニー自身の合法・非合法性はともかく、ウィニーを通じて広まるウィルスのせいで、ここ数週間ほど毎日のように情報流出のニュースが続く。タイトルにもある通り「本日のウィニー情報流出コーナー」とでも銘打って定期更新しても問題ないのでは、と思うほどだ。
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流出元は個人に留まらず、企業、官公庁などパソコンとインターネットを用いて情報を統括しているものすべてに及んでいる。「流失」なら無くなった時点ですぐに分かるが、ウィニーがらみの情報事件は「流出」なので(つまり情報漏えい元から情報が消えるわけではない)、情報元が気が付くのが遅れ、手のうちようがないという場合がほとんど。
ウィニーを経由して広がるウイルスは多岐に渡り、最近では「山田オルタナティブ」(当初「山田」という名前の人が被・加害者だったこと、某ゲームプレイヤーに感染者が多くそのソフトが感染元ではと疑われたことからこの名前が付いた)のように、天下の【朝日新聞】に大々的にその名前が載るほど。そしてそれらのウィルスはホンモノのウィルス同様に日々進化するので、対処側も手が回らないのが現状。
テレビ番組や政府機関、小泉首相ですら「ウィニーを使うな」として警告しているが、すでに便利さゆえにここまで広がったウィニーをいきなり使わないように、というのも無理がある。かくして被害は拡大の一途をたどる。さらに警告したり情報漏えいが報じられればられるほど、被害が広まるというマヌケな事態にもなりつつある(【参照:ウィニー介した流出、公表後の入手激増 対応に苦慮(asahi.com)】)。
一番確実な対ウィニー法は「パソコンとインターネットを使わないこと」。だがこれは「食中毒にならないためには食事を一切しないこと」と同じようなものであり、無茶な話。【@IT】では大分のページを割いて解説と対処法を説明しているが、これがかなり効果的だと思われるので紹介しておく。簡単にまとめると、まずは任意のフォルダを開いて「ツール」「フォルダオプション」から「表示」を選択、「登録されている拡張子は表示しない」という設定のチェックを外し、「すべてのフォルダに適用」のボタンを押す。そして「ファイル拡張子を表示させるようにし、確実に由来の分かるもの以外のexeファイルやsrcファイルは実行しない」。
「登録されている拡張子は表示しない」という設定のチェックを外し、「すべてのフォルダに適用」のボタンを押す
これと、セキュリティソフト会社が警鐘している言葉「不審なサイトからファイルをダウンロードせず、不審なメールは開かないこと」を実践するだけで、かなりの割合で感染を防ぐことができる。
さらに【高木浩光@自宅の日記】で紹介されているように、ダウンロードしたファイルを比較的安全に開くフォルダにするツールを用いることで、(たとえウィニーを使っていても)安全性はさらに高まるはず。
実際のところ、「パソコンとインターネットを使わないこと」はともかく、ウィニーを使わないことだけでも被害を受ける確率はかなり減るし、その上でウィニー流行前から叫ばれている「不審なサイトからファイルをダウンロードせず、不審なメールは開かないこと」を実践すればさらに安全に近づくわけだが。とはいえ、すでにウィニーを使っている人に「使うな」と断じるのも無理があるだろう。すでに『アマゾンでの検索結果』でもある通り、昔はウィニーの話を語る時には同名のウィンナーをイメージカットとして用いる場合が多々あったものの、今では山ほど文献が出ているありさまだ。ちなみに写真はアマゾンで、ウィニー系冊子でもっとも売れている『Winnyの技術』。
ならばせめて、上記にあるような「防衛手段」を導入し、備えることだけはしておくのが義務といえるだろう。何せ一度流出した情報は、完全に秘匿するのは不可能なのだから。「備えあれば憂い無し」である。
(最終更新:2013/09/19)
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