USENにライブドア株式を売却する判断についてフジテレビ側では「映像配信のUSENとライブドアのポータルは、良いシナジー効果を発揮する。ライブドアが再生するに当たりベストな事業会社だと判断した」とし、USENを高く評価している。また、ライブドア株式買取には複数の申し出があったものの、USEN以外は価格が低すぎてお話にならなかったことも明らかにしている。

ライブドアに対して損害分の賠償請求を求めることを明らかにしたが、その一方で結果的に損失を出すことになった決定をしたフジテレビの現経営陣への責任問題については、経営責任はないとした上で「ライブドアとの和解の調整は、将来にわたって拘束されるような条件はすべて拒否してきた。第三者割当増資に関しては、9月まで(市場で持ち株を売却しないという)ロックアップがあったが粉飾決算があった。法務と財務が1カ月以上かけて評価した結果でベストな経営判断をした」とし、落ち度はないと説明している。

USENの宇野社長曰く、現在のライブドアの株価は損害賠償を請求されることも折り込んでいるという話だが、個人の損害賠償分は考慮に含まれているのだろうか。フジテレビの損失請求分345億円に及ぶかどうかは不明だが、それなりの金額になるだろうし、その問題に決着がつくまではイメージダウン効果が続くのは避けられない。USENが望んでいるライブドアの機能や権利に変化はないものの、それへの市場評価や顧客が望む付加価値は下がり続ける可能性は否定できまい。

ともあれ、整理ポストに移行しているライブドア株式の株価は、複雑多岐の思惑を反映し、乱高下することだけは間違いないだろう。