新日鉄・住金・神戸鋼が敵対的買収に対する共同戦線を締結
2006年03月30日 07:30
【NIKKEI NeT】によると、【新日本製鉄(5401)】【住友金属工業(5405)】【神戸製鋼所(5406)】の3社は3月29日、敵対的買収に対する施策を共同で検討していくことに合意し、3社間で覚え書きを締結したと発表した(【発表リリース】)。
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今回の発表は業務面における提携に伴い発表されたもので、具体的には「三社のいずれかに買収提案がなされた場合に、他の二社への通知と要請に基づいて、買収提案が提携関係に与える影響及びそれに対する対応を共同して検討する」とリリースにある。この理由として
三社間又は各二社間での提携策の円滑かつ確実な推進が、各社の企業価値の維持・向上に極めて重要な施策となっていること、昨今の企業買収を取巻く環境の変化等を踏まえると、三社のいずれかに買収提案がなされた場合に、他の二社に実質的な影響を与えることが予想されること
を挙げている。
今回の取り決めは世界の鉄鋼大手が買収合戦のさなかにあることから、3社が手を携えてこの流れの中に巻き込まれて事業に支障がないようにするための思惑がある。また、新日本製鉄はこれとは別に、新株予約権を用いた事前警告型の買収防衛策(毒薬条項、俗に言う「ポイズン・ピル」)も導入する(【発表リリース、PDF】)
すでに三社間では数%ずつの株式の持合を行っている。「共同戦線で敵対的買収に立ち向かうのなら、いっそのこと経営統合をして陣営を強化した方が、リストラクチャリングもできてよいのではないか」という考え方もあるが、このような考え方に対してはまったく範ちゅう外であるともしている。
だが実際、今回の共同しての敵対的買収防衛計画や株式の持ち合い、技術や生産など各事業面での関係強化、さらに将来は環境面や災害時の相互サポートについても手を携えていく予定であることから、将来的に何らかの形でゆるやかな連合体が組まれてもおかしくはないだろう。
他の大国の同業他社と肩を並べて競争に参加し、世界的なシェアを確保し、飛躍するためには、それだけの規模が必要になるかもしれない。
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