京大、食べて食欲が抑えられる成分の合成に成功
2006年03月22日 12:15
【NIKKEI NeT】によると、京都大学の大日向耕作講師と吉川正明教授らは、「食べると食欲を抑えられるたんぱく質」の合成に成功したとのこと。マウスによる実験では食べる量が最大で30%も減少したという。
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教授らは合成したたんぱく質と似た効果を持つ成分を既存の食べ物から探し出し、肥満や生活習慣病の改善に役立つ応用を目指すとのこと。3月25日から28日に開催される【日本農芸化学会】で発表予定。
記事によると研究チームでは、マウスの脳で「プロスタグランジンE2(Prostaglandin E2)」と呼ぶ体内物質が、別のたんぱく質に働きかけると食欲を抑える現象を発見。そこで食べるとプロスタグランジンE2の量が増えるようなたんぱく質を、コメや卵白に含まれるたんぱく質を参考に2種類ほど合成したとのこと。
【日本農芸化学会】のプログラムを調べてみると、大日向耕作講師と吉川正明教授の両者が関わる講演の中では【プロスタグランジンE2の摂食抑制機構】が該当するようである。また、吉川教授が発表者に名を連ねている講演では同様に【Novokinin(RPLKPW)の摂食抑制作用とその機構】というのがあり、こちらも気になるところ。
なお吉川正明教授についてさらに調べたところ、いきなり今件の研究発表をしたわけではなく、食と健康の関係への研究や畜産食品への造詣が深く、関連著書も多数出版している。共著も含めてアマゾンでも『畜産食品の事典』をはじめ、『5冊ほどみつけることができた』。専門書・研究書の類が多く、一般の人には難解なのが難点だが。
それにしても先の【「油ものがウマく食が進むのは脳内麻薬のため」仕組みを京大が解明】といい今件といい、今月末に開催される日本農芸化学会では、生活習慣病と食に関する新しい、そして画期的なことになるかもしれない発表が相次ぐことになる。たまたまなのか、それともニーズに応えて多くの研究者が研究に没頭した成果が出始めているのかは不明だが、これらの研究結果が有効に反映されるような環境が関係者に用意されることを切に願いたい。
(最終更新:2013/09/19)
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