「今度は安全に流通させる新ソフト」ウィニー開発者が「オズテック」を開発
2006年03月21日 08:00
【Mainichi INTERACTIVE】が報じたところによると、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発したことによって違法コピーデータの流通を助長したとし著作権法違反のほう助罪に問われた、金子勇・元東京大学助教授の第21回公判が3月20日、京都地方裁判所で行われた。金子氏の弁護側は、金子氏がウィニーの技術を応用し、ファイルを安全に流通させる新しいファイル交換ソフト「オズテック」を開発・完成させたことを明らかにした。
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ウィニーはファイルをユーザー同士が共有・交換するためのソフトだが、不特定多数の第三者に情報元の認識ナシに端末からの情報が漏えいしてしまうウィルスがまん延し、俗に言う「ウィニー被害」が毎日のように報道される状況に陥っている。
記事によると新ソフト「オズテック」では、アップロードする側の制限や問題ファイル削除などの管理技術と課金システムが導入されており、さらにウイルス対策をした人しか使えなかったり、交換ファイルの内容が事前にチェックできる機能があるという。そしてこれらの機能を駆使すれば、既存のウィニーで問題視されている情報流出や著作権侵害を防ぐことができるとのこと。
この「オズテック」、映画やゲームなどの商品となりうるファイルをネット上で販売するためのもので、金子氏が日本国内のIT関連企業と共同して開発。特許も申請中で、今年の5月末には商品として発表予定だとのこと。
著作権侵害ほう助の是非についてはこれから法廷で争われ結果が出ることで、係争中の現在はコメントのしようがない。ただ、ウィニーに代わる「オズティック」が完成したこと、そして5月には正式に発表されることが明らかになったのは非常に興味ある話と思う人も多いだろう。
ウィニーにはウィニーであるからこそその魅力に取り付かれた人が多い。オズティックがウィニーをシェア的に駆逐してとって代わるためには、それなりの(新しい)魅力と正当に使うファイルの送り手側(供給側)が必要。果たしてそれだけの機能と利用者がオズティックにはあるのか。正式発表の5月を待ちたいところだ。
ちなみに今件の元記事。当初はタイトルが「ウィニー:開発者、今度は安全に流出させる新ソフト」と銘打たれていた。「安全に流出、ってどういうことだ」とツッコミを入れるつもりで記事をチェックしていたのだが、執筆時には修正されていた。残念。
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