【更新】ジャスダックの情報漏えい、同ルートで警察庁や個人の情報も
2006年03月20日 19:20
[Mainichi INTERACTIVE]の報によると先に【ジャスダック、システム関連資料流出を正式発表】で報じた【ジャスダック証券取引所】の取引システムの情報流出問題で、同流出経由で【警察庁】が発注した事務用システム端末設置の作業手順書も流出していたことが明らかになった。なお警察庁側ではこのシステムは外部とはネットで接続されておらず、不審なアクセスも確認されていないとしている。
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記事によると「2005年9月に」外部から情報漏えいの指摘を受けて同庁が【日立製作所(6501)】に通知し、日立製作所からジャスダックの開発にも関わった下請けの情報処理会社社員の端末から流出した可能性が高いとの報告があった。
ここまでの記事で「?」と思う方も多いと思うが、3月20日に正式発表のあったジャスダックのシステム情報流出について、同ルートで流出した警察庁と日立製作所の間には昨年9月の段階で認識と情報交換が行われている。ではなぜ昨日今日にいたるまでジャスダックの件が報じられなかったのか。[YOMIURI ONLINE]によれば、理由は明記されていないものの、「2005年9月に流出の事実を把握しながら公表していなかった」とのことである。
この公表が「ジャスダックとつるんで一般に公表しなかった」のか「ジャスダックにすら知らせず、日立社内でどうにかしようと画策していた」のか明記されていない。が、先日発表されたジャスダック側のリリースに「本件に関しては、システム開発の委託先である㈱日立製作所から流出したものであることを確認いたしました」と「確認いたしました」という表現を使っていることや、仮にも証券取引所で事実隠ぺいをすることがどのような事態を招くのかは理解できているはずであることを考えると、後者、つまり「日立社内で情報をとどめていた」可能性が高い。
また、【ネット証券Blog】にはこの情報流出に関する顛末がまとめられており、それによるとジャスダックや警察関連情報だけでなく、違法ファイルや日立社内の個人情報なども流出していること、情報の流出の指摘は今年1月下旬だったことなどが伝えられている。
今と比べれば当時はまだウィニーなどによる情報流出が本格的な社会問題化されていなかったのもあるだろう。だが、証券取引所や警察庁など、公的機関・インフラに関する情報を流出しておきながら、事実の情報開示を果たさず、ネットやマスコミの指摘で初めて公開するような姿勢は、少なくとも上場企業としてはあるまじきことだと断じざるを得ない。
情報流出そのものはとりかえしのつかないことだとして百万歩ゆずってたとしても、それを隠ぺいする行為は厳しく糾弾されるべきだろう。
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