ブログ小説で「名誉毀損」として賠償命令

2006年03月17日 12:20

インターネットイメージ【Mainichi INTERACTIVE】によると、ブログに書かれた小説のモデルにされ名誉を傷つけられたとして、京都市内のタクシー会社が元運転手に慰謝料など1100万円の賠償を請求していた訴訟で、京都地裁は3月16日、「社会的評価や信用を低下させた」とし、男性に1000万円の支払いを命じた。ネット問題に詳しい岡村久道弁護士は「ブログでの名誉棄損を認定した判決は聞いたことがない。今後は同様の問題が増えると予想される」と警鐘を発している。

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記事などによると該当するブログ【タクシードライバー作家(ブログ小説)おおつか いなり の部屋】は2004年の4月から5月にかけ、24回の連載で会社をモデルにした小説を掲載、「社内で運転手が飲酒し、管理職も放置」「幹部が会社の金を横領」などと表現していた。会社名や個人名は仮名だったものの、自己紹介の部分で会社や自分の名前を実名表記していた。同社は小説の掲載を理由に解雇したが、この男性は解雇無効を訴えて提訴、さらに2005年2月から3月に再掲載をしていたため、会社側も反訴していた。

判決では「男性が主張するだけの事実は認められない」とし、「同社を知る業界の者が読めば、同社がモデルで、事実と思うことが想定される」と指摘、会社の訴えを認めている。男性側は判決後、内容は事実なので今後も公表していくとしているのに対し、会社側では場合によっては名誉毀損での刑事裁判への訴えも検討しなければならないとしている。

ブログにおける会社の内情の暴露問題はブログが流行しだしてから何度と無く問題視されている。単なる社外秘情報ならブログであろうと無かろうと外部に漏らすことは言語道断で反論の余地はない。だが、男性側が語っていることが事実であるとするならば、飲酒や放置は飲酒運転及び管理不行き届きだし、また横領事件に他ならず、それはそれで「会社の社外秘情報」という枠組みでくくれる問題では無い。

社員を雇用する会社側としては、情報漏えいのハードルが低くなったブログの流行に対する情報管理の徹底はもちろん必要であるが、それと同時に「漏えいされた時に反論できないような悪しき、あるいは犯罪的情報そのもの」を持たないようにする、つまり倫理観をもった行動、一言で表現するならば「企業コンプライアンスの確立」が必要不可欠となるのだろう。

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