金融庁、JPモルガンに一部業務停止命令を出す
2006年03月10日 07:00
先に報じた(【市場操作でJ.P.モルガン証券処分へ】)とおり【JPモルガン証券】東京支店に対して行政処分を検討していた【金融庁】は3月9日、同支店に対して実際の需給に基づかない相場を作為的に形成させた(市場操作した)として、自己売買による株価指数先物取引を3月10日から31日までの間禁じるなどの行政処分を出した(【参照記事:NIKKEI NeT】、【金融庁発表リリース】)。
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金融庁によればJPモルガンのトレーダーが2004年11月4日の東証株価指数(TOPIX)の先物取引で、同一指数の売り買い注文を大量に発注、結果として本来の需給を反映しないような指数が生じた。このような作為的な相場形成は刑事罰の対象にすらなるが、同トレーダーは「顧客から受けた別の注文で利ザヤを稼ぐために行った売買が結果として作為的な相場形成につながった」と説明、金融庁もその説明に納得し「悪意は無かった」と判断。
行政処分には取引禁止の他、業務改善命令なども発動している。さらに不動産の証券化商品の販売の際の問題行為も見つかっており、こちらは関連業務の3月16日までの停止処分が下されている。
本当に悪意があったかどうかは別として、悪意があろうが無かろうがまずは事実を認識し、その事実に基づいた行政処分判断を下すべきである。前例もあることも考慮し、説明をうのみに信じて処分内容を軽くするなど、まだまだ金融庁の態度は甘いといわざるを得ない。証拠固めが困難で時間もかかるということもあるだろうが(今回の処分は約1年半前の話)、一罰百戒(罪を犯した者を一人罰しそれを多くの人の戒めとすること)という言葉にもあるとおり、厳粛で厳密で厳格な処分を求めたいところではある。
そうでないと「どうせばれて摘発されてもその何倍ものメリット得られるからかまわない」というように、抑止効果が無くなってしまいかねない。
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