【更新】配信動画もポータルサイトで、番組ネット配信で民放5社が共同サイト
2006年03月09日 07:30
[YOMIURI ONLINE]によると、在京民放キー局5局と大手広告代理店4社が、インターネット上における映画コンテンツの流通を促進するため、放送局共同サイトの発足に合意したことが明らかになった。映画配信で先行している通信・ネット事業者に対抗し、主要なテレビ局と広告会社が手を組み、自らの番組配信の普及を目指すという。
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記事によればサイト運営には新会社を設立して当たらせる。その新会社には【電通(4324)】が筆頭株主として18%ほどを出資。他にキー局が各12.5%出資、さらに【博報堂(2433)】や【アサツーディ・ケイ(9747)】【東急エージェンシー】も出資する。
新会社による共同サイト、いわば番組ポータルサイトは、各局の映画コンテンツをネット上で視聴するための入り口として、配信される番組の内容や配信日時などが一目で分かるようにする。視聴者側からすれば、これまで各局でバラバラに配信していた動画配信サービスを簡単に探せるようになるというメリットがある。地上波の番組と連動させ、地上波の視聴率アップにつなげる狙いもあるという。
つまり一言でまとめると、「既存の新興独立系ネット動画配信事業である【USEN(4842)】の[Gyao]>や、[ソフトバンク(9984)]と【ヤフー(4689)】による【TVバンク】に対抗し、既存のテレビメディアサイドからの攻勢を推し進めるためのポータルサイト・会社設立」「合従連衡」ということになる(「呉越同舟」とまではいわないだろうが)。記事上では「在京民放キー局」の具体名が挙げられていないが、恐らくは【日本テレビ(9404)】【TBS(9401)】【フジテレビジョン(4676)】【テレビ朝日(9409)】【テレビ東京(9411)】の5局で間違いないだろう。そしてその両陣営(ソフトバンクなどの新興組と、今回の既存民放組の双方)に対して、先に挙げた大手広告代理店が参画しているのが確認できる。また記事にはないが、各民放から増資を受けている【インデックス(4835)】も重要な役割を果たすことになるだろう。
既存の検索エンジンの便利さを考えると、動画ポータルサイトはあって当然だし、作り方次第では鼻血が出るほど便利なものとなる。今回の新会社設立の趣旨の一つ、新たなビジネスモデル(収入源)の確保につながるかもしれない。既存のテレビ番組冊子のような構成がネット上でもできれば、それだけでユーザーは集まるだろう。検索エンジンや冊子と同じように、大小さまざまな、番組紹介ポータルサイトも登場するに違いない。
だが一歩間違えれば、「裏方」に踊らされるだけで費用対効果の点で絶望的な運営を続けさせられる可能性も無くはない。何しろ、「賭け」で損をしない唯一の方法は「胴元になる」ことなのだから。
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