会社法、5月1日から施行へ

2006年03月24日 08:30

時節イメージ【NIKKEI NeT】などが報じたところによると政府は3月23日の事務次官会議で、会社法の施行期日を5月1日にする政令案を了承した。本日3月24日の閣議で正式決定する予定。この会社法の施行により経営の自由度が高まることになるが、一方で法令順守など企業の責任も重たくなる。

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昨年から各方面で「会社法、会社法」と叫ばれ耳にしている人も多いと思うが、この「会社法」とは要するに、法人格の「会社」に絡む法律を現行から色々と修正し、まとめあげたもの。具体的には会社経営の基本を定めた商法、有限会社法などを再編し、さらに会社制度そのものを大きく見直したもの。有限会社法が無くなり有限会社が設立できなくなる(株式会社に一本化される)や設立時の資本金制限(最低資本金制度)も撤廃し、資本金が1円からでも会社立ち上げができるようになる。

また、新しい仕組みとして、会社内部の運営を出資者の取り決めだけで決められる「合同会社(LLC、Limited Liability Company)」や、任意組合だが無限責任では無く株式会社と同じく出資額を限度とする有限にとどめる組織「有限責任事業組合(LLP、Limited Liability Partnership)」が法的に新設されることになる。特に後者は欧米でよく使われるスタイルで、法人格を持たないため法人税が発生しないのが特徴。

また、条件があえば取締役が1人だけでも問題無い(これまでは【ライブドア(4753)の一時取締役に腰塚弁護士】にもあるように株式会社では最低3人が必要だった)ようになったり取締役会の開催も強要されなくなる。つまり、株主会社の設立・運営の敷居が低くなるというところ。

また、会社再編や企業買収関連では、経営陣の権限を拡大し、株主総会での決議が不要な簡易合併・分割の基準を緩和、新株予約権を使ったポイズン・ピル(毒薬条項)など、敵対的買収への防衛策も講じやすくなっている。

会社法の施行によりこれまでと比べて創業のハードルが低くなるため、より多くの新興企業が登場することになる。もちろんハードルが低いということは財務やその他の面で「低いハードルをクリアして立ち上がった」会社も増えることになり、取引の際のリスクも高くなる。今後はこれまで以上に、企業リサーチへのニーズも高まることだろう。

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