粉飾決算防止のため四半期監査を法制化へ

2006年02月26日 08:30

[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると【金融庁】は2月25日、上場企業を対象に決算書を三か月ごとに公開する四半期開示への監査法人や公認会計士による会計監査を義務付けることを決めたという。今国会に提出する予定の金融商品取引法に、四半期開示の2008年3月期導入を盛り込む予定だが、それに併せて監査も法制化し、開示情報の信頼性向上を図る狙い。くだんの【ライブドア(4753)】による一連の証券取引法違反事件で、監査法人や会計士らによる関与がとりだたされているのが大きなきっかけのようだ。

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この法案が可決成立すれば、四半期開示で監査法人や公認会計士が粉飾決算に関与した場合、有価証券報告書の虚偽記載罪や公認会計士法の行政処分対象となる。これまでは処罰の対象とならなかったことを考えると大きな違い。

四半期開示は1999年から段階的に導入され、【東京証券取引所】では上場企業の92%が四半期開示を実施している。だがこれは自主ルールに過ぎないため、粉飾決算を行っても証券取引法の有価証券報告書の虚偽記載罪は適用されない。監査も要請に従って実施しているので、監査法人や会計士が粉飾に関与してもおとがめ無し(公認会計士法による行政処分にも当たらない)。

今回の四半期開示やその監査の法制化により、刑事罰のある法律で厳格な開示と監査をうながすのが大きな狙いだという。具体的には「すべての」上場企業を対象に、四半期終了後45日以内に監査を受けた上で、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書を原則、連結ベースで公開することを義務付けるという。さらに粉飾決算に対する罰則も強化される予定。

義務化により上場企業の負担は確実に重くなる。が、公正明大な有価証券報告書の提示は上場企業の義務でもある。(容疑確定はまだだが)現行法でライブドア絡みであれだけ大胆かつ多数の人に影響を及ぼすような粉飾決算が行われたというのであれば、法規制の強化は仕方ないところだろう。むしろ法の運用と監視体制の強化にも注力してほしいものである。子会社の利益付け替えによる上場企業の不当な財務水増しなど、多かれ少なかれ複数の企業で行っているような気もするのだが。

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