国保未納増大中。払わない、負担増、払わないのスパイラル

2006年02月27日 12:30

【NIKKEI NeT】によると、市町村が運営する【国民健康保険】の保険料未納が都市部を中心に深刻になりつつあるという。2004年度の未納率は東京23区と13大都市で13.34%、これは前年度から0.32ポイントの上昇になっているという。全国平均は9.91%であり、都市部の方が3%強も未納率が高い計算。

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記事によると特にフリーターなど若年層の未納が目立ち、未納率が4割(!)にのぼる国民年金と共に保険料の徴収対策が課題になりそうとのこと。

国民健康保険は自営業者だけでなく、退職者や未職者など無職の人たち約4600万人が加入する、公的な医療保険。加入していることで普通の場合医療費が3割に抑えられるほかに、一定以上の高額医療を受けた場合には一部が払い戻される保証(高額療養費制度)もある。

自営業者の未納は経営的な問題からだろうが、フリーターの場合は「制度を知らなかった」「払わなくても別に生きていけるし」「どうせ医者にかからないからもったいない」「負担額が高い」などの理由が考えられる。「なぜ対価がほとんど見えないのにこれほど高額を負担しなければならないのか」という考えは、国民年金に対する思いと同じだろう。

とはいえ、二百歩くらい譲って自分への影響がしばらく先にならないと見えてこない国民年金と違い、国民健康保険の場合は「万一医者にかかるような事態」にでもなれば、すぐに自分自身に跳ね返ってくる問題に他ならない。たとえば国民健康保険に入っていれば3000円で済む歯の治療費も単純計算で1万円もかかることになる。ましてや入院などでもして高額療養費制度に該当するくらいの出費ともなれば目も当てられない。

タイトルにあげたとおり、国民年金にしても国民健康保険にしても、「高いから払わない」「払っている人の負担が増える」「余計に保険料が高くなる」「高いから払わない」という、デフレスパイラルな状況がうかがえる。真面目に払っている人が莫迦をみないような仕組みを作ると共に、負担そのものを再度見つめなおす必要があるのかもしれない。

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