戦艦大和の溶接図面見つかり、大和ミュージアムに寄贈さる
2006年02月27日 07:00
旧日本帝国海軍の超弩級戦艦大和の溶接範囲を示した図面、そしてその溶接手順などが書かれた解説書が2月23日、神奈川県の岡田幸和氏から広島県呉市にある【大和ミュージアム】に寄贈された。同ミュージアムではすでに大和の図面172枚を所有しているものの、ほとんどが電気配線を示すもので、建造技術の要となる溶接図面が見つかったのは初めて。今図面は4月末から特別企画を開催して展示する予定だという(【参照記事:ZAKZAK】)。
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記事によれば今回寄贈された図面には「取扱注意」などの文字があるものも見受けられ、図面が軍の重要機密だったこともうかがえるという。また技術的には当時はびょう留めから溶接への過渡期であり、繰り返し衝撃を受け耐久性が要求される部分には溶接を用いるな、という注意書きもあり、当時まだ不安のあった溶接そのものは抑えられていた形跡もあるとのこと。
岡田氏は元々呉海軍工廠の造船技師が戦後に勤めていた神奈川県の造船会社の元技師で、会社から譲り受けた戦艦の資料の中に大和の図面が含まれていることに気付いたという。
大和の建造技術は当時としては最高級、最新鋭のものが集められており、中には現在でも再生不可能な技術もある(つまり現在の技術・施設では当時の大和とまったく同じものは建造できないということ)。「鉄は国の象徴」という言葉にもある通り、当時の造船・鉄鋼資料としては超一級のこの資料、大事に扱ってほしいものである。
なお記事横で紹介している『よみがえる超戦艦「大和」―史上最強の巨艦「復元計画」』は、戦艦大和を仮に現在で再建造したらどうなるのか、それは可能なのかというドキュメントタッチのシミュレーション小説。もう10年以上も前の話なので現在とは状況がかなり変わっているが、それなりに「読ませてくれる」内容である。
(最終更新:2013/09/19)
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