アルツハイマー病にワクチン、マウス実験で効果アリと林原生物化学研究所発表
2006年02月26日 18:00
【NIKKEI NeT】などによると、林原生物化学研究所は2月24日、アルツハイマー病の原因たんぱく質の一部を含んだワクチンを作り、マウスへ投与した実験において、たんぱく質を壊す抗体が大量にできることを確認したと発表した(【発表リリース】)。
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元々同研究所は粘膜投与で優れた効果を発揮するペプチド抗原(新規経粘膜ワクチン)を開発していたが、この方法は投与が簡単で安全性・安定性に優れたものであり、感染症だけでなくたんぱく質が原因となる疾患に応用が可能と考えられていた。そこで、今回、脳内に変性タンパク質が蓄積し神経死を引き起こすことで発症するアルツハイマー病(認知症の一種)の治療効果を期待したところ、抗アルツハイマー病経粘膜ペプチドワクチンを開発して動物実験を行ない、実用化が望める成果を得ることができたという。
これにより、効果を高めるための添加物が必要なく、高い安全性が期待できるとのこと。
今回開発されたワクチンは簡単にまとめると「予防接種などですでに人がもっている免疫力を活性化させて、アルツハイマー病の原因物質をやっつける抗体の生産能力を高める」というもの。さらに単純化すると「アルツハイマー病を抑える人間の自然治癒力を高める」ということになる。
残念ながらすでに進行した部分の回復は望むべくもないが、先に記事にした【アルツハイマー病の兆候を早期発見する新技術開発中】と組み合わせることで、かなりの人が救われることになるかもしれない。今後の進展に期待したい。
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