インサイダー疑惑の日経社員、「ゲーム感覚」と説明

2006年02月25日 19:35

【Mainichi INTERACTIVE】によると、すでに【日経社員がインサイダー取引の疑いで調査】で報じられたとおり日本経済新聞社の広告局局員がインサイダー疑惑を持たれている件について、該当する男性社員が社内調査に対し、「ゲーム感覚で(インサイダー取引を)繰り返してしまった」と説明していることが明らかになった。

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同件は、日経新聞者に広告代理店から持ち込まれる「法定公告」の内容を紙面化前に知ることができる同社の公告局の男性局員(金融広告部所属30代前半)が、その内容を元に10種類以上もの株式を短期売買し、利益を得ていたというもの。法定公告の掲載先には日経新聞が選ばれることが多く、この部門での売上高は昨年で約70億円と、広告部門全体の売上の6%を占めるほどだったという。

すでに同男性に対しては証券取引等監視委員会の任意聴取が始まっており、日経新聞社でも弁護士らで組織する内部調査委員会を設置した。取調べに男性は「昨年夏から今年2月に売買した。一部は当時からインサイダー取引だと思っていた」と、違法行為であることを自認した上での取引であることを認めている。さらにこのようなインサイダー取引を起こさないよう、広告局局員に日経新聞社は講習会を開催しており、この男性も2回出席していたが、よりによって不正取引はこの時期に行われていたという。

完全機械化によることができない法定公告は、必ず人の手が関与しなければならず、当然その人には一般に告知される前にその事実を知ることができる。だがその状況を今件のように悪用しないという前提のもと、企業は公告をお願いしている。その前提が崩されてしまうとなれば、企業はもちろん投資家も公告の意義や正当性に疑問符を投げかけることになるだろう。「またインサイダーかよ」と言われかねない。

すでに一連のライブドア(4753)事件をきっかけに、証券取引法の罰則規定が強化される方向で各方面が動いている。「うまくいけば美味しいし、見つかっても罪は軽いからリスクも低い」のでは誰も彼もチャンスがあればやってしまうことだろう。「してはいけないこと」の防波堤になるよう、罰則の強化はもちろんだが、監視体制を強化することにも注力してほしいものだ。

もちろん日経新聞には(そうでなくとも先走りや世論・株価誘導の嫌疑がかけられる記事が相次いでいるのだから)経済部門のクオリティペーパーであることを自認した上で、綱紀粛正に望んでほしいものだ。

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