メラトニンが不眠症に効果的とは限らないという研究報告

2006年02月25日 08:20

【NIKKEI NeT】によると、睡眠薬のような効果が期待される、処方箋のいらないサプリメントとして使われるメラトニンが、原因によってはその効果が期待できない、さらに時差ぼけの予防や緩和にも役に立たないという研究結果が2月10日のイギリス医師会誌【British Medical Journal】に掲載された(【概要、英文】)。

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記事などによると、この研究は内科的疾患や精神疾患を伴う特定の睡眠障害に注目したもので、結論としてメラトニンが睡眠補助にまったく役に立たないというわけではないという。ただこの研究が小規模なものであること、研究者自身は医師ではないことなどから、研究結果そのものに絶対的な自信は無いとしている。

また一方で記事では、高年齢者はメラトニンを産出する機能が劣化するため不眠症に悩む人が多いこと、だが過量にメラトニンを摂取すると体に悪影響を及ぼしかねないということも明らかにしている。

メラトニンの摂取量について「低用量で十分」とする一方、低用量メラトニンの使用に関する特許をアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)が保持しているため、利害関係から市場に出回るものも高用量のがほとんどとし、単に患者の症状を改善する云々だけではない現状がかいま見れる。

なお、メラトニン(Melatonin)は日本では医療品にのみ認められている呼称であり、処方箋の要らないサプリメントや健康食品としては似たような名前の「メラトン」や「メラトーン」(火炎系の魔法の呪文のようだ)という名前で発売されている。

人間の睡眠の仕組みについてはまだ不明な点が多い。さらに老化や機能障害による睡眠物質の不足でない限りは、カウンセリングなどを実施することによるサポートをあわせ、気の持ちようで(つまり自己暗示などで)不眠をある程度解消することも不可能ではない。

少々不眠気味だからサプリメントにすぐに頼ると、体に耐性がついてしまいかねない。たとえ処方箋が要らないとしても、むやみやたらと利用するのは考えものだろう。

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