日経社員がインサイダー取引の疑いで調査

2006年02月24日 08:30

【NIKKEI NeT】などが報じたところによると、日本経済新聞社東京本社広告局社員が今年の2月までの数か月の間、日経新聞に掲載される上場企業の株式分割などの法的告知の掲載前後に該当会社の株式を実際に売買し、利益を得ていたことが明らかになった。証券取引法が禁じているインサイダー取引にあたる疑いがあるとして証券取引等監視委員会は任意の調査を始めているという。

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インサイダー取引の疑いが持たれているのは広告局の30代前半の男性社員で、日経新聞が発足させた調査委員会による社内調査によると、この社員は株式分割などの法定公知が日経新聞に掲載されることを業務を通じて知り、掲載直前にネット取引を通じて株式を購入。そして掲載後に売却するという行為を複数の銘柄で行い、今年2月までに数千万円の利益を得ていたという。

これは「株式分割が行われると子株が流通するまでの数十日の間、流通量が激減して値が釣りあがる現象があるため、分割発表があると値上がりを期待した買いが殺到し株価が値を上げる」という去年までの傾向を利用したもの。今年に入ってから分割のルールが変わり、分割して発生する子株は権利確定後すぐに流通するため、流通量不足による値上がりの傾向は無くなっている。

インサイダー取引は当然違法行為であるが、それ以外に日経新聞では広告局内規で社員が株式の短期売買を禁止している。

一般に告知される情報を作る担い手側が、発刊される前に情報を知りえることは当然のこと。当然やろうとすればインサイダー取引によって利益を得ることは「可能不可能」という意味では可能である。一部新興エンタテインメント業界や一般大衆紙などでは、そういった状況を利用したインサイダー取引的なことが日常茶飯事に行われているという「噂」が後を絶たないし、その一例がフィクションとして【ビックコミックビジネス】に掲載されてもいた(主人公の先輩新聞記者が行きつけのキャバクラのホステスにインサイダー情報を流して儲けさせ、自分への興味を引き付けたという話)。

今件が事実であろとすれば、「噂だし、あるいはフィクションだし、実際には無いのだろうな」と半ば人の良心に賭けた希望的観測を見事に裏切られた形で、非常に残念でならない。また、「狼と羊」の物語ではないが、一度こういう事件が発覚すると「またインサイダーかよ」と疑われ続けることはやむをえないだろう。

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