【更新】水中の原潜からステルス無人機射出をアメリカ国防総省などが計画

2006年02月24日 08:30

[YOMIURI ONLINE]によると【アメリカ国防総省】【ロッキード・マーチン】社などが、冷戦終結で存在価値が低下した大型ミサイル原子力潜水艦に、水中発射型ステルス無人機を搭載、水中から発射する形で運用するという手法を計画していることが明らかになった。水中発射型は世界初だという。

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オハイオ級潜水艦イメージ記事によると今発想は、戦略原潜の用途を偵察や局地的攻撃へと転換させる狙いがあるという。具体的には従来弾道ミサイルが入っている発射筒に改造を施して無人機を搭載、水中から発射してロケットとジェットエンジンの併用で飛行。ステルス機能だけでなく、短射程兵器や偵察機能を搭載しているという。実際にはオハイオ級での運用が想定され、トライデント・ミサイルの発射筒を利用する。年内後半にも実験機体を使って着水などの試験を開始する方針だという。

潜水艦による航空機の運用といえば、太平洋戦争中の日本海軍が数歩も先を進んでいたことが有名。大型の潜水艦にはほぼ、水偵(フロートをつけて水上で離着陸ができる偵察機)が搭載されていて、洋上から航空機による偵察活動を可能としていた。さらに小型の爆弾などを搭載して、敵の意表をついた攻撃も可能だった(アメリカ大陸本土への唯一の爆撃もこの手法)。

特に戦争末期に開発された、パナマ運河攻撃を念頭に開発された潜水空母ことイー400型はその大きさと、はじめから水上攻撃機として開発された晴嵐の搭載は群を抜いていた。パナマ運河攻撃そのものはかなわなかったが、そのコンセプトは戦後それらを検証したアメリカ海軍の大型ミサイル搭載潜水艦開発に大きく役立ったほど。

冷戦が終結しロシア(ソ連)という対立国の力が減少した以上はこれまでどおりのニーズはないと考えた上の話だろうが、まだまだそれに匹敵する、しかもロシアよりやっかいな核保有国が存在するのは事実。高い抑制力となる戦略原潜を激減させるのは問題があるだろう。その一方、隠密性の高い潜水艦本来の任務といえる、偵察・奇襲攻撃に役立つ無人機の搭載と水中からの射出機能は、今後ますます重要視されることになるかもしれない(単純な費用対効果においては疑問視される向きもあるが)。

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