経済産業省の谷みどり嬢のブログ、あえなく閉鎖へ
2006年02月21日 08:30
先日電気用品安全法絡みで紹介した(【レンタルにリースに……電気用品安全法への対策模索さまざま】)経済産業省消費経済部長の谷みどり嬢のブログ【谷みどりの消費者情報】が2月20日の夜半に事実上閉鎖されたことが明らかになった。理由は記載されておらず、現在トップページには2月21日の深夜付けで「残念ですが閉じました」とだけ記載されている。
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同ブログは2月1日にスタート。経済産業省が行う記者発表や公式サイトへの情報では足りないという意見に「お金をかけないでもっと何かできないか」という提案から「谷みどりブログをやってみたらどうだろうか」となり、谷みどり嬢が個人で契約しているプロバイダの無料ブログサービスを使うことになったとのこと。
松下の石油温風暖房機や内職商法、インターネットオークションに関する個人と事業者の違いについてなど、興味深い論評が相次いでいたのだが、くだんの電気用品安全法に絡む記事を掲載したところ山のようなコメントが書き加えられた。確認しているだけで1100件、他の記事へのコメントが10件前後であることを考えると驚異的であると同時に、世間の関心の深さがうかがえた。
しかしコメントには当然のことながら辛らつな内容や罵詈雑言も多数見受けられており、これが今回の閉鎖につながったものと見られている。
「完全に閉じました」のコメント更新が深夜1時半ごろになっていること、それ以前にはもう少し長文で閉鎖に関するコメント(「残念ですが、このブログを閉鎖せざるを得なくなりました。短い期間でしたが、いい経験になりました。ありがとうございました。」)があったことなどから、当電気用品安全法に対する反響の大きさに驚いたあまり閉鎖せざるを得なかったというのが実情だろう。また、「公式見解も公認でもないし個人的なと前置きしてあるものの、省庁の部局長が自ら運営するブログ内においてあのような内容のコメントが相次いだり、あるいは省庁全体の方針に影響を及ぼしうるような情報の配信をするのはいかがなものか」という横槍が入った可能性もある。
先の記事でもコメントした通り、部局長自らが「不足している予算をかんがみた上で、手前の採りえる手法を用いて自分が所属している省庁の情報開示不足を改善していきたい、消費者にもっと有益な情報を広めていきたい」という意識はきわめて有意義であり、賞賛されるべきことである。であればこそ、インターネットにおける自由参加の場を設けた場合におきうる「このような事態」に対する備えや耐性に不備があり、(恐らくは)反対派の横槍を甘受せざるを得なくなってしまったのは残念でならない。
谷みどり嬢はプロフィールを調べる限り、エネルギーや環境問題への積極的な取り組みや女性初の環境省課長として注目を集めている人物であり、俗に言う「やり手」の人物であることは確かなようだ。今回の件で挫折することなく、むしろ良い経験とし、今後も自らの立場から消費者の側に立った政策を遂行すると共に、インターネットへの積極的な参加を続けてほしいものである。
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