厚生労働省、診療報酬点数一覧を公式サイトに掲載
2006年02月20日 08:30
【Mainichi INTERACTIVE】によると【厚生労働省】は4月から、医療における「価格」「値段」に相当する診療報酬点数の一覧を同省公式サイトに掲載することを決めた。先に同省は医療機関に対し、4月から6か月以内に医療費の内容が分かる領収書の無償発行を義務付けているが、その領収書には診療の明細までは書かれていないので、公式サイトの点数表を見ても大半の患者は具体的な医療内容を確認できない。ただし同省では、希望する患者にはそれら内容がが分かるような明細付領収書を発行するように医療機関で通知によってうながすことにしている。
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記事によると医療報酬は治療や検査ごとに細かく点数化され、約8000項目は存在するという。義務化された領収書は「検査」「投薬」「入院料等」といったそれぞれの項目の合計点がかかれるだけで、検査内容や薬剤名の明細は記述されないとのこと。厚生労働省の公式サイトに記載される予定の診療報酬点数表と照らし合わせるためには明細の記された領収書が必要だが、その発行は医療機関の努力義務に過ぎず、患者が求めた時に「詳しい領収書の発行に努めるよう」通知でうながすという。
中途半端な情報開示に疑問が残るところだが、これについては【中央社会保険医療協議会】が明細付領収書の発行を議論したところ【日本医師会】の委員による「事務作業が煩雑になるからイヤだ」との反対を受け、おおまかな項目別までにとどめられることになった。
まとめると日本医師会の主張は「情報の明細公開は面倒だからいやだ、でも特典は受けたい」ということなのだが、まるで株式市場におけるファンドの大量所有報告書絡みの規制に関するやりとりと構造が同じで、苦笑せざるを得ない。記事内でも指摘されている通り、厚生労働省が情報を開示し、同省管轄による社会保険の枠組みで行っている診療である以上、同じように情報の開示を義務化すべきだろう。
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