「電気用品安全法の改正、周知が十分でない」経済産業省に問合せ相次ぐ
2006年02月14日 23:59
先にも報じたとおり【経済産業省】では電気製品の安全性を高め、消費者を保護するという目的で、電気製品の安全性を示す「PSE」マークの検査認定と表示を義務付ける「電気用品安全法」の改正を実施、その猶予期間が今年3月一杯で切れることなるが、その件についてさまざまな問題が発生しているとの報が[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]によって行われた。
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NHKによれば、中古品を扱う業者の間では制度の改正を最近になって知ったという声も多く、経済産業省では先月から1日に30件前後の問合せが寄せられているという。そのためサイトで情報提供をあらためてはじめたほか、家電や楽器の販売業者で作る業界団体にも、表示のない製品を販売しないよう、あらためて文書で呼びかけるようにしている、としている。
……とあるが、2月13日分までの情報では、目立つような形で(例えば新着情報など)同件について報じられた形跡はない。おそらく数日中に何らかの動きがあるものと思われる。
今法律の施行についてはたとえ「官報で報じたから法的には何の問題もない」という杓子定規なものであっても、告知が十分に行われていないという問題を筆頭に、消費者保護や国際的基準に合わせるためのものとするのならなぜ広範囲に流通しているパソコンなどは例外措置がとられているのかという問題点が指摘されている。
また、単価の大きな該当(すると思われる)商品については、家電商品や室内配線などが埋め込まれている中古物件・中古住宅も対象になりかねない。つまり「2001年以前の住宅は改修工事をしてPSEマークを取得(電化商品部分に)しないと販売できないのではないか」という、屁理屈のような問題だ。もっともこちらは単価が高いため、コストをかけてもPSEマークを取得するという手もありうるが(オール電化住宅など、どうなるのだろうか)。
さらに大きな問題点として、今件は「法ができるよりも前に作られたものに、遡(さかのぼ)って適用する点」から、大義名分があったとしても、憲法第39条に定められている遡及処罰、二重処罰等の禁止
第39条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
の「遡及処罰の禁止」に反するのではないかという指摘もある。
今件については当方で取り上げられた前後から一部ネット上で問題提議されてきたが、ここ最近になってようやく一般マスコミでも伝えられるようになってきた。業者(の法務担当)にしてみれば、官報のチェックを怠ったことへのそしりは受けるべきかもしれないが、それは別にしても周知義務さえ果たせばあとは知ったことではないという、いかにもお役所仕事的な対応は、「いかがなものだろうか」と思わざるを得ない。「官報の息づかいを感じていれば、事前に気配があったはずだ」などと説明されても納得はいかないだろう。
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(最終更新:2013/08/29)
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